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Winart

日本在住/

1998年創刊のワイン雑誌。話題の産地の現地情報や、ワインはもとよりお酒全般に関連するさまざまな情報を、美しいビジュアルとともに発信することがモットー。ワインイベントもときどき開催(各イベントの詳細はPeatixページにて)。本ウェブサイトでは、誌面ではお届けできない情報を盛りだくさんでお届けします。【Twitter】@WinartWinart

2017.07.24
column

とことんカリフォルニア!中伊豆ワイナリーヒルズを味わい尽くす<訪問編>

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なだらかな丘に延々と広がる垣根仕立てのブドウ畑、石造りの堅牢なワイナリー、横を駆け抜ける馬の姿。遠方に富士山のシルエットさえ臨めなければ、中伊豆ワイナリーヒルズはアメリカ カリフォルニアのワイナリー風景そのものだ。

2016年末からはワイナリーの営業時間が夜9時まで延長され、レストランでのディナー提供も可能に。
さらに今年は本格ウェスタンの乗馬施設がオープンしたとの朗報が。

いっぽう、樹齢を重ねたブドウのおかげで、ワインの質もぐんと上昇中。
東京からであれば車で2時間程度、と山梨・勝沼と同じ距離感で日帰りできる。

遅くまで営業しているから、日中は伊豆でゴルフや温泉を堪能し、最後にワイナリーへ移動してお土産を探すのもよし。

ジックリ1日巡るのも、サクッと短時間の立ち寄りも楽しめる中伊豆ワイナリーヒルズ。
まずはメインのワイナリーと、新顔の乗馬施設を紹介しよう。

見学も購入もできる「中伊豆ワイナリー シャトーT.S」
見どころはプレ・フィロキセラのコレクション!

畑側から眺めるワイナリー「中伊豆ワイナリー シャトーT.S」は、まさにナパ。

「ワイナリーで結婚式を挙げて、ブドウ畑で披露宴!」
と憧れるカップルが続々押し寄せるのも納得の、堂々たるルックスだ。

入口から地下へ進むと、醸造施設へ。
タイミングが合えば、実際にタンクへ仕込んでいる様子をガラス越しに見学できる。

畑での作業を含めた醸造仕事はパネルや映像で解説されるので、ワイン造りの勉強やおさらいにもうってつけ。

そしてワイン好きの心をくすぐるのは、さらに奥の地下セラー。

中伊豆ワイナリーヒルズの運営会社は、カラオケや給食産業で名を馳せる総合サービス企業のシダックス・グループ。

シダックスの創業者である志太勤さん(ちなみに、シャトー名の「T.S」は彼の頭文字)のコレクションを、セラーでチェックしないまま帰るわけにはいかない。

ボルドーやブルゴーニュを多々揃えつつ、一部の棚はオーパス・ワンであふれている。おおお!

最奥には、大量のオーパス・ワンを吹き飛ばすほどの桁外れな「プレ・フィロキセラ コレクション」が鎮座。

1987年のオークションで約1,050万円にて落札された、フィロキセラ禍以前のボルドーワイン。
博物館級の展示である。おおおおお!

……次元の違うワインを間近で眺めたら上階へ戻り、現実感を取り戻すべく土産コーナーへ。

手頃な価格帯のワインが並ぶ陳列棚にホッとする。
12本購入すると20%OFFとのサービスもシンプルにうれしい。

ブドウ畑をガラス越しに眺めながらの無料試飲は、自分のペースで気持ちよく進められる。
より高級なワインに興味のある方は、いざ有料試飲コーナーへ。

今回選んだのは「2013シンフォニールージュ プレミアム」、自社農場産ブドウ100%使用でプティ・ヴェルド主体の赤。
中伊豆でのプティ・ヴェルドについて、カウンターで話を伺いながらの試飲は有意義だ。

ワイナリー前に広がる自社畑、志太農場は10ha。
プティ・ヴェルド、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ヤマ・ソービニオン、シャルドネ、信濃リースリングなどを栽培している。

時間に余裕があれば、テラスを経由して畑を一周し、イスで休憩。手入れの行き届いた畑を存分に眺めたい。

そして、そして、もっと時間と体力に余裕があれば……
馬に乗って畑一周はいかが?

畑見学と乗馬体験の素晴らしきコラボ!
「サンシャインステーブルス ワイナリーヒルズランチ」

ワイナリーのすぐお隣が、馬の駆け巡る牧場「サンシャインステーブルス ワイナリーヒルズランチ」だ。
九十九里の名門乗馬クラブが運営を請け負い、ウェスタン流の乗馬レッスンが受けられる。
人気なのは、畑を馬で闊歩できるコース。いつもより高い目線が新鮮だ。

経験者は、スタッフが実力をチェックしたうえですぐに「ブドウ畑外乗」へ。
未経験者は、いったん馬場内でレッスンを受けてからの外乗となる。

元気のいい馬は、横で寝転がって犬のように砂遊び。
馬だって、性格が違えば動きも違う。

この馬は小柄でおとなしく、乗馬初心者向けタイプ。
乗り手の実力や体型によって、プロのインストラクターが適した馬を選んでくれる。

プレオープンを経てからの正式オープンを迎えた「サンシャインステーブルス ワイナリーヒルズランチ」は、すでにリピーターが付いているとか。
親子で来れば、親はお隣でワインを飲み、子供は馬で満足。

また、大人ひとりでふらっとレッスンを受けにくる人も少なくない。
「馬を眺めてのんびりするだけの人も歓迎」
と、テラスには椅子が用意されている。

日本離れした中伊豆ワイナリーヒルズは、いちどおさえておくべきスポット。
ワインと馬が好きな人、どちらかひとつだけ好きな人にも当然オススメだ。

●中伊豆ワイナリー シャトーT.S
http://www.shidax.co.jp/winery/winery/

●サンシャインステーブルス ワイナリーヒルズランチ
料金例:体験乗馬 馬場内レッスン+ブドウ畑外乗 60分10,000円
http://www.shidax.co.jp/winery/facility/ranch/

Text&Photo:Joe Yamamoto