• Top
  • Column
  • ジェイコブス・クリーク[わ]と和食のペアリングイベント、参加…

塚本悦子

日本在住/ワインライター・コーディネーター

ワインライター・コーディネーター。ワインスクール講師を経て、現在はフリー。ワイナート本誌では8号より執筆。産業能率大学通信講座「ワイン資格受験コース」監修。著書に「30日間ワイン完全マスター」(美術出版社)など。

2018.01.25
column

ジェイコブス・クリーク[わ]と和食のペアリングイベント、参加レポート

  • facebook
  • twitter
  • line

オーストラリアのワイナリー、ジェイコフブス・クリークが、“和食がもっと美味しくなるワイン”をコンセプトに開発した[わ]シリーズ。実際にオーストラリアを訪れ開発に携わったのは、「銀座 寿司幸本店」四代目の寿司職人 杉山衛と、「割烹 日本橋とよだ」五代目の江戸料理人 橋本亨という、伝統の真髄を知り尽くした和食界の達人だ。

昨年末、[わ]とともに味わいたいプロのレシピを両氏が直伝するイベントが、銀座の東京ガスStudio+G GINZAで開催された。実際に参加者も調理実習するとのことで、普段あまり使わないエプロンをクローゼットから引き出し、いざ会場へ!


まずはジェイコブス・クリーク[わ]赤の開発に携わった橋本氏が、「鶉包み蒸し」をデモストレーション。ワインに合わせることを考え、蒸し物にかける八方あんには少しだけ赤ワインを加えたとのこと。
「日本橋とよだの料理は関東料理なので、普段からみりんはほとんど使わないんです」なんて裏話も交えながら、丁寧にプロの技を伝授。


その後、参加者達はグループに分かれ、最新型のピピットコンロなど完備した調理台で実際に調理。久しぶりの料理教室、なんだか新鮮で楽しい!


蒸し器にナスで包んだウズラの真薯を入れた後、今度はジェイコブス・クリーク[わ]白に関わった杉山氏による「蛤の酒蒸し」、「味噌仕立てシーフードスープ」のデモストレーション。お店でも供出されている「蛤の酒蒸し」をこの場で作って頂けるとは、嬉しい限り。
寿司職人らしく魚介の扱い方など、興味深い話も満載で、参加者もみな興味津々に聞き入る。


さて、でき上がったのがこの3品。ステキな器に盛りつけ、なかなか本格的で見栄えもよし。

そして、作ったお料理とともにいただいた、この日限りの「銀座 寿司幸本店」と「割烹 日本橋とよだ」のコラボ特製弁当の内容が素晴らしい。多彩な食材が散りばめられた豪華な弁当も広げ、杉山、橋本両氏がともに開発したジェイコブス・クリーク[わ]スパークリングで乾杯!


その後、白、赤ワインも供出され、さまざまな料理とのペアリングを試みながらの楽しい試食タイム。
「信州マスの西京焼や魚醤で焼いたホタテは、スパークリングワインが合うのでは?」と橋本。「ばらちらしの魚介類は白ワイン、酢飯は意外に赤ワインもいける」と杉山氏。

シャルドネ60パーセントにピノ・グリージョ、ピノ・ノワールなどがブレンドされたスパークリングは、ほどよい果実味が優しく広がり、ほろ苦みが食欲を刺激し心地よい印象。
シャルドネ60パーセント、ピノ・グリージョ30パーセント、ソーヴィニヨン・ブラン10パーセントの白ワインは、つるりとなめらかな触感ながらきりりとしたスパイシーさも存在し、まろやかながら締まった味わい。
プルーンや黒糖の香りが漂う赤ワインは、グルナッシュ、サンジョヴェーゼ、ピノ・ノワール、マタロという個性的なブレンド。酸や鉄分やスパイシーさが溶けつつなめらかな触感で、オリエンタルなニュアンスもあり、重過ぎずジューシーで飲み心地よい。

どのワインもフレンドリーなスタイルながら繊細さを持ち合わせ、和食とのバランスを重視して造られたことが改めて伝わる。老舗の伝統を継承する両氏のトークを伺いながら、参加者達はペアリングを満喫し、あっという間にお開きの時間に。特製弁当はもちろん、自ら造った3品も[わ]シリーズとよく合い、おいしかった!

家庭料理に幅広く合わせやすい[わ]シリーズ、季節の旬の食材を使った“おうち和食”とともに、色々合わせてみたいな。

Text:Etsuko Tsukamoto