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2019.05.31
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【短期連載 最終回】プロも絶賛『The Wine Show-極上のワインに魅せられて-』番組登場ワインを買おう!

ワイン番組『The Wine Show-極上のワインに魅せられて』シーズン2が好評オンエア中です。短期連載の最終回は、シーズン1、2の日本語版を監修したソムリエの大越基裕さんに番組で紹介されたワインのなかからオススメの3本を聞きました!

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『The Wine Show』のふたつのシーズンを通して、俳優陣のマシュー・グード、マシュー・リース、ジェームズ・ピュアフォイと、連載1回目に登場したジョー・ファットリーニが、世界を巡ってたくさんの生産者やワイン、ワイングッズを紹介してくれました。今回の連載最終回では、番組で紹介された「もの」にフォーカスして、大越さんの気になるワイン、愛用のグッズについてお聞きしました。

ーーこの番組は、ワインのプロフェッショナルである大越さんの目には、どのように映っていますか?
大越「この『The Wine Show』のお話をいただいて番組を拝見したとき、さすがロンドンで制作された番組だなと思いました。世界中のワインやさまざまな産地をはじめ、自然派のワインもクラシックなワインもきちんと網羅していて、偏りのある線引きがなく、分け隔てがない。そういったところに、いまの世界のワイン観がしっかり縮小されておさまっている感じがしました。シーズン1の初回からいきなり南アフリカに行ったのはおもしろいと思ったし、シーズン2では日本でもいま話題になっているジョージアも外していない。またシーズン1ではイタリアを拠点にたくさんの産地を回って、ナチュラルワインの生産者も紹介していたのは興味深かったです。ロンドンは世界のワインの中心地ということもあって、やはり紹介する幅がとても広い。それだけでも見ていて面白いですね」。

フランスやイタリアといった伝統産地はもちろん、シーズン2の4話ではカナダ、5話ではボスニアとクロアチアといった産地もレポート。

ーーそんな興味深い産地から、気になるワインを3本選ぶとしたら?
大越「僕も紹介したいと思っていたワインがたくさん登場していたので、ちょっと迷いますね。日本でも手に入り、三本三様のワインを紹介したいですし……。
そのなかでまず1本目は、ニュージーランドのピノ・ノワール、有名で比較的クラシカルな造りの『アタ ランギ ピノ・ノワール』を挙げたいと思います。やはりこのピノは、僕自身がNZに行ったときも、『なんだかんだ言っても王道で、トップのピノ・ノワールはアタ・ランギだよね』と言うマスターオブワインもすごく多くて、僕自身も大好きです。セントラル・オタゴでは出せないマーティン・ボロのよさを出している。セントラル・オタゴの最近のフルーツの感じが前面に出ているような印象とは対照的な個性をアタ・ランギはもっていて、NZのトップピノとして、またクラシカルなワインの代表としてもオススメです」。

ーー2本目はどの国のワインになりますか?
大越「フォラドーリという生産者のイタリアのナチュラルワインで『フォラドリ テロルデゴ』。トレンティーノ・アルト・アディジェ州のワインです。最近僕が推奨している『クリーン・ナチュラル』なスタイルのひとつです。クリーン・ナチュラルとは、有機栽培やバイオダイナミクスなどのブドウ畑でのアプローチに、造りにおいても亜硫酸添加量が少なく、ワイルド・ファーメント(野生酵母で自然に発酵させる)に任せるなど、人の干渉が最小限なワイン造りです。 その上で(一部のナチュラルワインにある)明確なオフフレーバーが少なく、ほかの香りとのバランスがよいもの、もしくはほぼオフフレーバーを感じることのないワインを指します。番組中では、そのナチュラルであるがゆえの味わいの表現の仕方がとても興味深くておもしろかった。『ナチュラルワインが好きだ嫌いだ』という世界観ではなくて、『一度は試してみてほしいワイン』として、また『(ワインという固定観念にとらわれず)ひとつのおいしい飲み物としてどうですか?』とオススメしたいワインとして挙げたいと思います」。

ーー最後の1本は?
大越「南アフリカかギリシャか、ジョージアか迷いました。旬のワイン、とはいっても前からあった産地なのに、いま再注目されている産地といった観点で選ぼうと思ったのですが、そうなると南アフリカやギリシャ、ジョージアか……。
今回の『ワイン定期便』で、本当によいギリシャワインをご紹介することができるので、僕自身も大好きなギリシャの『イエア アシルティコ ワイルドファーメント サントリーニ』にしました。サントリーニ島の生産者で、GAIAと書いてイエアと読みます。サントリーニの地場品種アシルティコ種を使ったワインで、フレッシュで塩気があり、うま味とのバランスがよくて、すごくおいしいです。番組では、彼のワインを海中で熟成させたものと、通常の熟成のものを比較する内容で登場しています。定期便でご紹介するのは、僕の事務所のテイスティングルームでアシルティコ種のワインを20銘柄くらい並べてブラインドテイスティングをしたときにトップをとったイエアのワインです。番組で登場したワインとは、キュベが違いますが、ぜひ飲んでみていただきたいワインの一本です」。

ーーなるほど、それぞれに個性的なワインですね。
大越「『The Wine Show』に出てくるワインも生産者も、わりと僕自身も個人的に趣味があうものが多いんです。とくにこの3つはぜんぜん違うカテゴリーなのに、それがひとつの番組のなかで紹介されているのは、番組の懐の深さを感じますし、しかも一般の人からワインのプロフェッショナルまで幅広く楽しめる枠内で納めている。そんな番組を象徴する3本、ともいえるワインだと思います」。

ーーさて、マシュー・リースが、シーズン2ではさまざまなワイングッズと出会いますが、それらのなかで大越さんの愛用のグッズは登場しますか?
大越「番組で紹介されるアイテムは、一般愛好家の方たちが家庭で使うものが多いですね。たとえば、自分のグラスを識別するマーカーだったり、飲み残しのボトルから空気を抜く器具だったり。なかには亜硫酸添加量の鑑定ができるグッズも登場しますが、さすがそれはマニア度全開ですね(笑)」。


大越さんがソムリエ資格をとる前から愛用していたアロマキット「Le Nez du Vin the Masterkit 54 Aromas」(上)。現在は日本語版も発売されている。下は大越さんも共同著者として携わった、アロマカード付き本『ワインの香り』。

大越「そんなおもしろいアイテムのなかで、僕が愛用となると、アロマキットですね。小瓶に香りを発する液体が入っていて、そこに閉じ込められた香りを嗅ぐためのキットで、何十種類もの香りがセットになっていて、番組では、ロンドンでもけっこう高価だと紹介されていました。香りは記憶に残っているようで残っていないことが多く、このキットは香りを記憶として定着させる効果があります。僕はソムリエを志したときから使っていますし、いまは授業でも利用しています。この番組で紹介されたのを見て、いまでもこのキットは相変わらず健在なんだなと実感しました。
愛用はしていませんが、こういうのがほしいなと思ったものもありましたよ。ワインを入れるスーツケース。僕は国内も海外も移動が多いので、高級ワインを持って行くときに使いたいですね。途中のフライトでボトルが割れた経験もあるので(笑)。4本くらいしか入らないですが、スーツケース内はワインを固定するためにウレタンフォームのような素材を使っていて、しかもこれが保温効果をもっているようです。冷やして入れるとそれなりに温度が管理できるのもいいですよね」。

シーズン2では日本のエピソードも放映された。ワイン定期便にも日本ワインが登場するという。

ーーありがとうございました。番組オンエアはもう少し続きますので、最後に見どころをご紹介いただけますか。
大越「この番組を見ていると、いまの世界のワインのトレンドをいち早くつかめると思います。愛好家の方にも、プロフェッショナルな人たちにも。映像でワイン造りの現場が見られるというのは重要です。どういう場所でどういう雰囲気で造られているのかというのを見て感じられるのが動画の力ですね。静止画とはまた違う力があります。
また、出演者がすごくわかりやすく表現してくれるので聞きやすいし見やすいし、プロじゃなくても内容を理解しやすいですね。それに15分くらいでひとつのテーマが完結して次のテーマに移るスピード感には自然と惹き込まれていきます。それなのにすごい情報量が詰まっている。制作サイドが紹介する場所やものについてものすごく精査しているからだと思います。
ジョーは俳優じゃないのになかなかのエンターテイナーで、ほかのキャストも素晴らしいし、有名人ゲストも登場します。それに映像もキレイです。日本ではいま、シーズン2のオンエア中ですが、本国ではシーズン3を撮影しているようですから、これからもどんなワインや産地が紹介されるのかますます楽しみです」。


大越 基裕 
ワインテイスター/ソムリエ

渡仏後2001年より銀座レカンソムリエ、2006年より約3年間再渡仏し栽培、醸造の分野を学ぶ。帰国後同店シェフソムリエに就任。13年6月ワインテイスター/ワインディレクターとして独立。世界各国を周りながら、最新情報をもとにコンサルタント、講師や講演、執筆などもこなしワインの本質を伝え続けている。ワインだけでなく日本酒、焼酎にも精通、ワインと日本酒を組み合わせた食事とのペアリングには定評のある、モダンベトナム料理店An Diも手がける。国際ソムリエ協会 インターナショナルA.S.Iソムリエ・ディプロマ、WSET Sake Level 3 & Educator取得。

Text : Tae Sugimoto
Photo : Kentaro Ishibashi

短期連載第1回
ジョー・ファットリーニさんインタビュー

http://winart.jp/feature/8134

短期連載第2回
シーズン2 番組見どころ解説

http://winart.jp/feature/8406

【番組情報】
〈放送スケジュール〉
7月よりベストエピソード選を放送!
毎週土曜10:00~

〈キャスト〉
マシュー・グード(声:諏訪部順一)
マシュー・リース(声:三木眞一郎)
ジョー・ファットリーニ(声:森川智之)
ジェームズ・ピュアフォイ(声:東地宏樹)

〈日本語版監修〉
大越基裕

〈番組公式サイト〉
wowow.bs/wine
〈番組で紹介されたワインが買えるサイト「ワイン定期便」〉
https://wowshop.jp/thewineshow/
6月、7月セレクトには、今回のインタビューで大越さんにオススメいただいたワインが登場!

(c) The Wine Show Ltd.

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