2019.01.24
EPA発効目前 ワインの小売・輸入業各社の動きが活発化
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が昨年12月に確定、その発効が今年の2月と迫る中、ワインの小売・輸入業各社の動きが活発化している。
EPAとは、日本と欧州連合双方の貿易品目の関税撤廃や、知的財産の保護や電子商取引などに関するルールを新たに導入するもの。世界全体の国内総生産(GDP)の約3割を占める最大級の自由貿易経済圏が誕生し、政府の試算では日本のGDP押し上げ効果は約5.2兆円になるとされている。
その中で注目したいのはやはりワインで、先陣を切ったのはイオン。本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」「イオンリカー」など約420店舗で、ワインの「日欧EPA発効記念先取りセール」を早くも1月18日(金)から開始。ほかにもアサヒビールではEUから輸入するワイン40品目を3月1日出荷分から参考小売価格で平均約10%となる値下げを発表、同様の動きは多くの輸入元や小売店にも広がっている。
いっぽう、メルシャンではEPAの発効で欧州産ワインの人気が高まるとの判断から、欧州産ワインの値下げだけでなく、製品ラインアップの拡充も発表。まずは新商品としてスペインのワイナリー「ボデガス・フォンタナ」のオーガニックワインブランド「メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック」を2月26日(火)より全国で発売するとしている。
ただ、ワインの関税はそもそも安い。現行の関税は15%または1ℓあたり125円で安いほうが適用され、フルボトル750mℓ換算で93円という計算。この税はワインの販売価格に関係なしに課せられるため、高級ワインには影響が少ないとされている。EPAの恩恵は主にデイリーワインと、販売拡充を狙ったラインナップの充実のほうに期待、今後の各社の動きに注目したい。