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Winart

日本在住/

2018.06.19
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サントリーニ島で出会った、ギリシャ初のクラフトビール

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「ワイナート」91号にて掲載している、ギリシャワインの現地取材レポート。
この取材時に、訪れたサントリーニ島のブルワリーをご紹介します!

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サントリーニ島のあちこちのショップやレストランで見かける愛らしいロバ(donkey)のラベルのビール。しかし見た目のポップなこのビールは、ギリシャ初のIPAを生み出したブルワリーで造られる本格派クラフトビールだ。

サントリーニ・ブルーイング・カンパニーは2011年創業。サントリーニ島からギリシャビールを変えたい! と集結した、アルバニア人ビール醸造家のボバン・クルニチ、ロンドンのブルワリーのオーナーであるスティーヴ・ダニエル、アメリカ人のビール愛好家マイダ・アンダーソン、そしてペロポネス半島のネメアとサントリーニ島でイエア・ワイナリーを営み、アテネ大学で醸造と栽培の教鞭を執るヤニス・パラスケヴォプロスの共同プロジェクトだ。「ギリシャのビール市場に新しいムーブメントを興したかった」とヤ二スは語る。

ヤ二ス(右)とボバン(左)。醸造所はガレージワイナリーならぬ、ガレージブルワリーと言えるほど小規模。

醸造設備はオーストリアから輸入。海水を二度塩抜きして使う水以外のすべて、ホップやモルトなどの原料は世界中から厳選して輸入している。エネルギーはソーラーパネルで賄い、絞ったあとの滓は地元のブドウ畑に肥料として還元するなど、環境にも配慮している。

独自のブレンドや製法で個性を表現。

小さなステンレスタンクでタイプごとにセレクトしたモルトやホップを用いて一次発酵を行ない、大型タンク内の圧力下で糖を加えず二次発酵。その後、すべてノンフィルター、熱処理なしで瓶詰め。「そのほうが香りが豊かになるしビタミンBも残るから」とボバン。保存料も加えないため、保存や運搬に注意は必要だが、ヤ二スは「この“生きた”自然の味わいこそが、私たちのビールの比類なき個性を生むのです」と言う。

スロー・ドンキーの熟成に用いるヴィンサントの樽。

造っているのは、下記の5アイテム。

(写真左から)

Yellow donkey
イエロー・ドンキー(729円/輸入元:Vins d’Olive)
さわやかなシトラス風味とほのかな苦味のバランスが取れたフルーティーな味わい。スロヴェニア産のオーロラやスティリアン、ゴールディング、オレゴン産のカスケード、ニュージーランド産のモトゥエカなど数種類のホップをブレンド。

Red donkey
レッド・ドンキー
フルボディでリッチだが酸とのバランスがよい、洗連された味わい。栗色に仕上げるためモルトをセレクトし、ホップはスロヴェニア産のオーロラやスティリアン・ゴールディング、ワシントン産のシトラ、ニュージーランド産のネルソンソーヴィンをブレンド。酵母はベルギー・スタイルを使用。(日本未輸入)

Crazy donkey
クレージー・ドンキー
ギリシャ初のIPAビール。オレゴン産のカスケードとニュージーランド産のネルソンサヴィンを多く用いることで、多彩な香味や苦味がもたらされている。ストラクチャーがあり、幅広い料理に対応できそうなタイプ。(945円/輸入元:Vins d’Olive)

White donkey
ホワイト・ドンキー
オレンジピールやエキゾチックフルーツを思わせるさわやかな風味が心地よいフレッシュな味わい。小麦とモルトを同量ずつ使用したヴァイス・ビール。オーストラリア産のホップ、ギャラクシーがエキゾチックな風味を与えているが、詳細なブレンド比率はヒミツ。(日本未輸入)

Slow donkey
スロー・ドンキー
モルトやホップのほかにトーストやコーヒーの風味も感じられる、深いコクのあるビール。イエアで使用したアシルティコのヴィンサントの樽で6カ月から一年熟成させ、瓶詰め時に糖と酵母を足して瓶内で二次発酵を行う。年間生産量はわずか3000本ほどで、ブルワリーでのみ販売している限定品。(日本未輸入)

ブルワリーは月~土曜日の12時~17時までオープン。すべてのビールを楽しめるほか、Tシャツやエコバックなどのグッズも購入できる。

Text & Photo:Megumi Nishida

商品についてのお問い合わせ
Vins d’Olive
044-299-9772
https://vinsdolive.com/