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Winart

日本在住/

1998年創刊のワイン雑誌。話題の産地の現地情報や、ワインはもとよりお酒全般に関連するさまざまな情報を、美しいビジュアルとともに発信することがモットー。ワインイベントもときどき開催(各イベントの詳細はPeatixページにて)。本ウェブサイトでは、誌面ではお届けできない情報を盛りだくさんでお届けします。【Twitter】@WinartWinart

2020.01.10
column

90年代にショートトリップ!? イタリアを満喫のイヤーエンドパーティに潜入

2019年、日本へのイタリアワイン輸入は好調だった。とくにプロセッコ、フランチャコルタ、ランブルスコなどの泡モノは、だいぶ日本市場にも浸透してきている。そんなワイン業界の功績にあやかり、昨年11月29日、毎年恒例の在日イタリア商工会議所主催「ICCJ GALA 2019 Dinner&Concert」に参加。楽しいイタリアンナイトの様子をレポート!

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18時半、ドアオープン。会場となった東京・白金にある八芳園のフロアには、アペリティーヴォタイムを楽しもうと、すでに多くの人々が集結している。各企業の展示やデモンストレーションブースを前に、おしゃべりと笑い声に包まれた賑やかな雰囲気だ。早速、バーカウンターでトレント地方のワイナリー、ロータリのアルペ・レジス エクストラ・ブリュット 2013に手を伸ばす。白い小花を思わせるアロマ、リンゴのフレッシュな果実感が喉を潤してくれる。

 

DOPパルマのブースでスライスしたての生ハムをつまみ、ディザロンノのブースでは出張バーテンダーによるカクテルを少々。アリタリア航空ブースでは豪華商品があたる航空券型抽選券を購入。


 

会場内には、チャリティのためのサイレントオークションのブースも。GUCCIやSalvatore Ferragamoなど、名だたるイタリアンブランドの商品がずらりと並ぶ。売り上げの一部は、NGOシェア(国際保健協力市民の会)の活動基金として寄付されるとのこと。なかにはワインの出品もあり、リゼルヴァ・デル・フォンダトーレ 2002 ジュリオ・フェッラーリ(マグナムボトル)も。こちらの売り上げは、「洪水および高潮による被害を受けたヴェネツィアへの寄付に割り当てられます」と記載されていた。

 

オークション出品ボトルは、フェッラーリのマッテオ・ルネッリ社長のサイン入り。ファッショングッズも多数並んだ。

 

90年代を思わせるフロア。まずは、星付きシェフのディナーを待つ人々。


 

アペリティーヴォスペースを抜けて、円卓がずらりと並ぶメインダイニングへ。ここに参加しているのは、イタリアの政府機関や企業関係者など総勢約300人。今回のラグジュアリー・パーティのテーマである”美しき90年代”を彷彿とさせる、場内に飾られた数多くのミュージックCDやミラーボールが、照明を受けてキラキラとディスコティックな光を放っている。
同じテーブルの参加者と簡単な挨拶を交わしていると、ようやくディナーが始まった! フィレンツェのフォーシーズンズホテルの星付きダイニングレストラン「イル・パラージョ」でエグゼクティヴ・シェフを務めるヴィート・モッリーカによるコースディナーが饗される。

 

メニューを担当した、ヴィート・モッリーカ(左)。アミューズ・ブッシュ(中)とワインのペアリングも楽しい。センスが光るリゾット(右下)。アペリティーヴォに登場したロータリのワインも、アミューズにぴったり!


 

モッリーカはフード&ビバレッジ・ディレクターも兼任するだけあって、料理とワインの合わせ方もお手のもの。アペリティーヴォのロータリにも、ディナーに用意されたマァジのレヴァリエ ソアーヴェ・クラシコ 2018にも寄り添う味わいに仕上げられたのは、アミューズ・ブッシュ「プッタネスカを纏ったタラバガニ」。フレッシュなカニのうま味と塩味に、ついワインに手が伸びる。爽やかなトマトベースのスープに浮かぶ刻んだ野菜が、口の中をさっぱりとリフレッシュさせ、ソアーヴェの柔らかな苦みとの相性もよい。

続くは「イチジクのマスタードとトリュフレバーのパルフェと詰めたセロリ、ニンジン、タマネギにパルマハムDOP」。バルサミコ酢をつなぎに、野菜・果実・肉とそれぞれの食材もさることながら、触感・温度・うま味とさまざまな要素の一体感を感じられる、かなり完成度が高い。

3皿めに「バルバビエートラのパウダーをあしらったポルチーニにリゾットとグラナ・パダーノDOPのフォンデュ」。バルバビエートラとは、イタリアで栽培されるビーツ種のこと。このほどよい甘みが、チーズとポルチーニの王道の味わい(これだけでも当然美味!)に変化を与え、なかなかに興味深いのだ。

メインに登場したのは、シンプルに肉を食べさせてくれる「トマトとレモンクロスタの仔牛ロース アーティチョーク添え」。この料理に用意されたワインは、エドニス・リゼルヴァ 2015 フェウド・アランチョだった。シンプルな味付けの仔牛にシチリアのネロ・ダーヴォラはどうか……との心配をよそに、15年ヴィンテージのリゼルヴァだけに、こなれた果実味。これはこれでアリだなと感心する。

 

フランチェスコ・チョッカのDJで、ジェニーBのダンサブルなナンバーがかかると、ダイニングはダンスフロアへ!


 

クリエイティヴィティの高いディナーを満喫し、お待ちかねのコンサート&抽選会が始まる。90年代からヨーロッパのダンスシーンを席巻した、シチリア生まれの歌姫ジェニーBのソウルフルなステージ。そして、豪華賞品が当たる抽選会での当選番号の発表に、参加者はみな固唾を飲む。賞品は、東京ーイタリア間のアリタリア航空ビジネスクラス往復航空券とホテル宿泊券がセットになったトラベルパッケージ、MSCベリッシマのビジネスクラスで巡る日本周遊クルーズ、今回のディナーを担当したモッリーカの所属する「イル・パラージョ」ワイン付ディナー券にフォーシーズンズ・ホテル・フィレンツェのデラックス・ルーム2泊の宿泊がついたデラックス滞在だ。

抽選会で盛り上がった会場に、本日のDJ、フランチェスコ・チョッカが登場。ラジオ局の敏腕プロデューサー&ディレクターでありながらDJもこなし、イタリア音楽界では超有名人だ。フロアは90年代ユーロダンスチューンの響くダンスホールへと一変する。こうして、ゴージャスなイタリアンナイトは更けていった。

ICCJ ガラ ディナー&コンサート 公式サイト https://gala.iccj.or.jp/

Special thanks to ICCJ