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Winart

日本在住/

1998年創刊のワイン雑誌。話題の産地の現地情報や、ワインはもとよりお酒全般に関連するさまざまな情報を、美しいビジュアルとともに発信することがモットー。ワインイベントもときどき開催(各イベントの詳細はPeatixページにて)。本ウェブサイトでは、誌面ではお届けできない情報を盛りだくさんでお届けします。【Twitter】@WinartWinart

2017.07.24
column

温泉とワインディナー!中伊豆ワイナリーヒルズを味わい尽くす<お泊り編>

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車でのワイナリー訪問はラクチン。
最寄りの鉄道駅から遠い場所でもスイスイ行けるし、重いワインを心置きなく買って運べるメリットがある。

反面、ドライバーには現地での試飲を我慢してもらうしかない。
とはいえ、ワイン好きのドライバーに優しい訪問先もある。

それは「ワイナリーと同じ敷地内のホテルに泊まり、夜はドライバーも揃って乾杯」ができてしまう中伊豆ワイナリーヒルズ。

ワイナリー内のレストランでディナーをとり、ホテルに戻って温泉へ。
ぐっすり眠ったら、翌朝からワイナリー見学や伊豆観光を再スタートさせられるのだ。

プロの運動選手も宿泊
肩肘張らない温泉ホテル

2000年にオープンしたシャトーT.Sに続き、2001年に温泉ホテルとして営業スタートしたのが、ホテルワイナリーヒル。
周囲に野球とサッカーのスタジアム、テニスコートが揃い、日頃はプロ選手だけでなく野球少年たちまでを受け入れているからか、気取りがなく肩肘張らないホテルだ。

中伊豆ワイナリーヒルズを運営するシダックスの創業者・志太勤さん本人が、その昔は野球少年。
大人になって事業を成功させた暁に、ワイナリーやスタジアムまで完成させてしまった御仁である。

自分だけで耽る贅沢に終わらず、皆で楽しめる空間を造り上げる心意気たるや、素晴らしすぎる。
壮大な男のロマンなのだなぁ。

ホテルに入ると、フロントの後ろには野球やテニスのプロ選手のサインが並ぶ。
ジャンルや在籍チームを問わず、自主トレーニングのため長期滞在する現役選手に重宝されるホテルなのだとか。

ホテル内にはプールもあり、たとえばサッカーの試合を終えてから、ひと泳ぎしてクールダウンするという合わせ技も。

とはいえ、「スポーツヒル」でなく「ワイナリーヒル」と名前が付いているからには、ワイン愛好家向けの仕掛けもちゃんと用意されている。

チェックインを済ませて部屋に入ると、ホテルからのプレゼントとして、宿泊者限定の赤ワインがテーブルに。
ホテルに泊まった人しか入手できない、飲みやすいタイプのオリジナルワインだ。

こちら、寝酒として部屋で飲み干しても、お土産として持ち帰ってもよし。

1Fフロント横にあるお土産コーナーの一角には、ワインが大量陳列。
チェックアウト後すぐ出発しなければいけないときは、ワイナリーへ立ち寄らずホテル内でさっさと買い物を済ませることができる。

ワイン以外なら、小樽パッケージが一丁前なクランチチョコ(1,200円)を。食べ終わっても手元に置いておきたくなるお土産だ。

そして、伊豆といえば温泉は外せない。
ホテルワイナリーヒルには、日帰り入浴の客も受け入れるオリジナルの掛け流し温泉がちゃんと備わっている。

1000m下から湧き出る天然の志太温泉「縄文之御神湯(じょうもんのごしんゆ)」で、長旅や運動の疲れを癒したい。

日暮れ時、シャトーレストランで
伊豆ならではの食材とワインを

温泉でひと心地ついた後、次に悩むのは夕食。
どこで食べようか迷うところだ。

温泉から出てきてすぐの食事処で風呂上がりのワインは飲めるし、ホテル内のレストラン「アマリリス」もボトルが充実している。

だが、より優雅な空間を希望するなら、やはりホテルを出てワイナリーへ移動し、レストラン「ナパ・バレー」を訪れるべき。

ホテルとワイナリーの間は無料シャトルバスでスムーズに移動できる。
また、緑豊かな道を30分ほど歩いてお腹を空かせるのも◎。

道中には、十二支の動物が象られた石像とスタンプが随所に安置されている。
ホテルで「開運十二支スタンプラリー」の台紙を受けとり、ひとつひとつスタンプで埋めながら進むのは、散歩の励みになる。

ワイナリーのシャトーT.Sに到着したら、上階にあるレストラン「ナパ・バレー」へ。
できれば日没前に入店したい。

というのも、ブドウ畑は日暮れとともに表情を変えていく。
次第に赤く染まり、最後は闇で終わる様を静かに眺め続けられるのは、ディナー客の特権だ。

こちらでは、下の醸造所で造られたワインがグラスでもボトルでもオーダー可。

料理は単品のパスタ(1,500円~)、特別コース(4,500円~)を気分次第でチョイスして。
富士山麓を流れる水で育ったサーモンをはじめ、地元伊豆で旬な食材をふんだんに使用しているおかげで、伊豆半島のどまんなかに自分がいるという事実をしっかり噛みしめられる。

なお、「ナパ・バレー」でのディナーとホテル宿泊がセットになったプランも用意されている。

ディナーを満喫して外に出ると、イルミネーションが美しい。
なかなか体験の機会に恵まれない夜のワイナリーは、1泊することで存分に堪能できるもの。

「ワイン旅行は1泊するに限る!」と力強く宣言したい。

●ホテル ワイナリーヒル
http://www.shidax.co.jp/winery/hotel/

Text&Photo:Joe Yamamoto