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Winart

日本在住/

1998年創刊のワイン雑誌。話題の産地の現地情報や、ワインはもとよりお酒全般に関連するさまざまな情報を、美しいビジュアルとともに発信することがモットー。ワインイベントもときどき開催(各イベントの詳細はPeatixページにて)。本ウェブサイトでは、誌面ではお届けできない情報を盛りだくさんでお届けします。【Twitter】@WinartWinart

2018.07.04
column

グランポレール 北海道余市のブドウ生産者、弘津敏さんがやって来た!

「グランポレール シングルヴィンヤードシリーズお披露目とマリアージュ」イベントレポート

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東京・新橋駅からほど近くに店を構え、サッポロビールの日本ワイン情報発信地でもある「グランポレールワインバーTOKYO」では、季節を変えてさまざまなイベントが開催されている。
7月7日(土)の七夕の日には、グランポレールの若手醸造家たちが集うテイスティングイベント「グランポレール プレシャスサロン 七夕 2018」も控えているが、盛況だった今春開催のイベント「シングルヴィンヤードシリーズの新ヴィンテージとマリアージュ」の様子をレポートしよう。

4月に開催されたこのイベントは、グランポレールの最高峰であるシングルヴィンヤードの新ヴィンテージを料理とともに堪能できるというもの。6,480円で「北海道余市」や「安曇野池田」を堪能できる&余市からブドウ生産者の弘津敏さんが来場! とのことで、期日前早々に全席ソールドアウトという人気ぶりだった。

当日は、グランポレールの次世代を担う若手醸造家の渡邉真介さんも加わって、栽培や醸造についての説明や、生産現場でのエピソードなどを交えながら食事とトークが進んでいった。ウェルカムドリンクのあとは、4つのキュヴェに4皿を合わせたコースが始まる。

1)グランポレール 北海道 バッカス2016
× 炙り帆立貝と北あかりのオリーブマリネ 禅パスタのジェノベーゼを添えて
原料は弘津園のブドウのみを使用。比較的色は濃いめ。ややフォクシー的だがマスカットのような華やかな香りが爽やか。酸がよく切れ、ほどよい残糖からくる甘やかさが心地よく、時間が経っても飽きずに飲める。この甘みがホタテやポテトの味わいを引き立て、そこにジェノベーゼソースのバジルが加わると、口中に爽やかさを運んできてくれる! 北海道の味がぎゅっとつまった組み合わせ。

2)グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2016
× 信州サーモンのハーブサラダ
近年、日本でも増えているソーヴィニヨン・ブラン。安曇野池田のワインはスキンコンタクトからくる若々しい香りが特徴的だ。リリース直後ということもあり、最初は少々固め。グラスを回していくと青々しい草の香りがキレイに立ってくる。添えられたディルがワインの風味にピッタリで、酸味の効いたサラダの味わいとも◎。

3)グランポレール 北海道余市 ピノ・ノワール 2014 & 15
× 知床鶏としばれ生ハムのモッツァレラチーズ焼き トマトのムースと共に
ここでうれしいサプライズ! 余市ピノ2ヴィンテージが登場!! つい仕事を忘れてメモを取りそびれそうに……(汗)。和風テイストで仕上げたという料理との相性は、個人的には2015に軍配か? 鶏に添えられた、そばつゆ的なソースとバターで味付けしたキャベツからふわっと感じるしょうゆ風味が、15年ヴィンテージをより味わい深いものにしてくれた。

色合いは、1年の熟成でだいぶ変わっている。基本的な造りは変わらないが、15年はやや樽を控えめに効かせたという。15年は色が薄め。まだ閉じているがエレガント! タンニンと鉱物感が味わいを支えており、アフターの抜け感が心地よい。一方、14年はフランボワーズやスミレの香りが立ち、15年に比べるとチャーミングな印象。酸や果実味も心地よく、キュッと締まった感じ。

4)グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード メルロー 2015
× 信州米豚の低温ロースト 葡萄の赤ワインソース
凝縮感があり、香り高い。酸の力強さがあるので、もう少し待って飲んでみたい。樽のニュアンスも上品でワインの味わいを下支えしている。ブタを噛みしめるとじわじわ出てくるうま味と脂が、口の中でワインに絡み合って絶妙。酸味の効いた赤ワインソースとは、言うまでもなくよいバランス。

食事が進むにつれて、「普段はブドウと話してるんでね」と緊張気味だった弘津さんのトークも徐々に軽妙になっていく。安曇野池田ヴィンヤード栽培責任者の田中亘さんから、ベテラン栽培家の弘津さんにしばしば相談の電話が掛かってくるそうで、お互いに情報交換をしているといったエピソードも披露してくれた。
それにしても、弘津さんは大人気。懐深くてお茶目な弘津さん、そのお人柄に加え、なかなかお目にかかれない貴重な機会だけに、お客様に引き止められっぱなし!


こうして楽しいイベントは幕を閉じたのでした。
次回、7月7日開催の「グランポレール プレシャスサロン 七夕 2018」は、すでに満員御礼とのこと。グランポレール プレシャスサロンのメルマガ会員になると、今後開催予定のイベント情報がいち早く入手できるとのこと、この機会に登録しておこう!

Text : Winart