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岩本順子 Junko Iwamoto

ドイツ在住/ ライター・翻訳家

ライター・翻訳家。ドイツ、ハンブルク在住。1999年にドイツの醸造所で研修。2013年にWSETディプロマ取得。現在ドイツの日本語新聞「ニュースダイジェスト」に「ドイツワイン・ナビゲーター」「ドイツ・ゼクト物語」を連載中。 http://www.junkoiwamoto.com

2019.07.25
column

ドイツ・ハンブルク発 世界のワイン情報 vol.20「世界初! 国際羊乳チーズコンクールがイタリアでローンチ」

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去る5月8日、イタリア・ミラノのブラマンテ通りにあるソニア・ファクトリーで「第1回 国際羊乳チーズ・コンクール(First Edition of International Competition for Sheep‘s Milk Cheeses)」のローンチ・イベントが開催され、世界各地からのエントリーを呼びかけた。

コンクールの開催地は、イタリアで「ペコリーノ」と総称される羊乳チーズの本場、サルデーニャ自治州。同州の農業牧畜開発局をはじめ、ラオーレ・サルデーニャ(農業開発エージェント)、ヌーオロ農業・産業・工芸会議所、ペコリーノ・ロマーノPDO保護協会、ペコリーノ・サルドPDO保護協会、フィオーレ・サルドPDO保護協会、OILOS(サルデーニャ産羊乳チーズ協会)が共同で実施する。

イタリア国内には、サルデーニャ州産のペコリーノ・サルドをはじめ、ペコリーノ・ロマーノ、ペコリーノ・シシリアーノ、ペコリーノ・トスカーノなどのPDO(原産地保護地域)があり、地域色豊かな高品質で多彩なチーズが生産されている。現在、羊乳チーズの生産量がもっとも多い国はギリシャで、これに中国、スペイン、シリアが続き、イタリアは世界第5位(FAO統計/2014年)。

羊乳チーズだけを審査対象とする国際コンクールは世界初開催となり、主催者側は「このコンクールの開催によって、生産者たちのネットワークが生まれ、情報交換が盛んになり、品質の向上、消費の促進に貢献できるはずだ」と意欲的だ。

ローンチ・イベントでのスピーカーたち。右から、ペコリーノ・ロマーノPDO保護協会会長 Salvatore Palitta、フィオーレ・サルドPDO保護協会会長 Antonio Maria Sedda、ペコリーノ・サルドPDO保護協会会長 Antonello Argiolas、ラオーレ・サルデーニャ ジェネラル・マネジャー Maria Ibba、OILOS会長 Salvatore Pala、司会はジャーナリストのAnnalisa Bernardini

第1回審査は、2020年3月上旬に行われる予定で、エントリー申し込みの締め切りは今年の12月10日(火)。募集はEU規定によるPDOチーズとそれ以外のチーズに分けて行なわれ、それぞれ以下9つのカテゴリーでエントリーを受け付ける。

(1)フレッシュチーズ、(2)熟成2カ月未満、(3)熟成2カ月以上4カ月未満、(4)熟成4カ月以上6カ月未満、(5)熟成6カ月以上12カ月未満、(6)熟成1年以上、(7)ブルーチーズ、(8)カビ付きまたはウォッシュタイプ、(9)フレーバード・チーズ

2020年2月24日(月)〜3月2日(月)の間に、エントリーするカテゴリーに従って規定サイズのチーズを送付。審査の後、受賞者の表彰イベントが2020年3月8日(日)に予定されている(エントリーは無料、送料は参加者側の負担)。

料理を実演するシェフのクレリア・バンディーニ

今回のローンチ・イベントでは、プレス向けにコンクールの詳細が発表されたほか、サルデーニャ自治州の産業において重要な位置を占める羊乳チーズの魅力をアピール。サルデーニャ出身のサーフィン世界チャンピオン、フランシスコ・ポルチェラと、サルデーニャ オリアストラのレストラン「ルチッタ(Lucitta)」のシェフ、クレリア・バンディーニのふたりがゲストとして招かれ、料理の実演なども行なわれた。

コンクールの詳細・応募規定については、コンクール公式サイト(英語)にて。

Text:Junko Iwamoto
Photo:© ovinus