塚本悦子
日本在住/ワインライター・コーディネーター
ワインライター・コーディネーター。ワインスクール講師を経て、現在はフリー。ワイナート本誌では8号より執筆。産業能率大学通信講座「ワイン資格受験コース」監修。著書に「30日間ワイン完全マスター」(美術出版社)など。
千曲川ワインバレーの立科町に待望の「たてしなップルワイナリー」誕生!
2019年秋、長野県北佐久郡立科町で初のワイナリー、たてしなップルワイナリーが誕生。県内初のワイン特区に認定された東御市(現在、ワイン特区は「千曲川ワインバレー特区」として、立科町をはじめ近隣8市町村エリアに拡大)の南側に位置する立科町は、リンゴの町としても知られています。リンゴもたわわに実る9月28日、ワイナリーお披露目のイベント、初蔵開き2019が開催されました。日本有数のリンゴ産地ということで、たてしなップルワイナリーでは、シードルからのスタート。イベントの乾杯は、2019年3月に仕込んだ初商品のシードルで!
ラベルのデザインは、オープンコンペティションで決定。34点の応募作品の中から採用されたのは、弱冠18歳の学生・内田桜子さんの作品。「初めて商品パッケージのデザインをしました。ポップなデザインで、見てすぐに飲みたいと思えるもの、若い人に飲んでもらえるようにと思いました」。
シードルを仕込んだ井上雅夫工場長は、15年間カリフォルニアでワイン醸造の経験を積んだ後、11年前に帰国。その後、勝沼などでワイン造りを行なってきた醸造家で、2019年にたてしなップルワイナリー工場長に就任。「シードルは初めてなので、ハラハラドキドキしました。3月1日に仕込み、15日に発酵途中の段階で瓶詰め、瓶内発酵を施しました。よく熟したフジリンゴの芳醇な甘みをあえて残したかったので、やや甘口に仕上げています」。
今年の春には、ワイナリー前にブドウ畑を造成し、植樹する予定。当面は、ワインは委託醸造を受けるという。2019年の秋は、2軒のブドウ栽培家からの委託醸造を受けました。その内の1軒が、ワイナリーのすぐ目の前に畑を構えるカラリア。
カラリアの中村大祐は、千曲川ワインアカデミー卒業後、立科町のブドウ栽培圃地を受け継ぎ2016年よりブドウ栽培をスタート。現在はシャルドネ主体ながら、一昨年はメルロ、昨年はカベルネ・フランも植樹。立科町は冷涼で雨が少なく、畑では風が抜けるため病気が発生しにくく、虫の被害も少ないそう。
収穫したシャルドネは、これまでは全量をアルカンヴィーニュで委託醸造していましたが、2019年は1/3をたてしなップルワイナリーに委託し、オレンジワインになる予定。ワインの誕生が楽しみです!
たてしなップルワイナリー
長野県北佐久郡立科町大字牛鹿1616-1
TEL : 0267-56-2288
https://tateshinapple.jp/winery/