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塚本悦子

日本在住/ワインライター・コーディネーター

ワインライター・コーディネーター。ワインスクール講師を経て、現在はフリー。ワイナート本誌では8号より執筆。産業能率大学通信講座「ワイン資格受験コース」監修。著書に「30日間ワイン完全マスター」(美術出版社)など。

2021.06.17
column

クリスタルブランド「ラリック」、ラム酒ブランドと初のコラボレーション

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フランスのラグジュアリーライフスタイルを代表する、最高級クリスタルガラスメゾンのラリック。ため息が出るような美しいクリスタル製品の数々で知られる同社にて、初となるラム酒ブランドとのコラボレーションが実現した。

タッグを組んだのは、熟成ラム酒メーカーとして名高いディクタドール。コロンビアのカルタヘナの中心地で40年以上にわたり超高級ラム酒を蒸留してきたディクタドールは、投資対象となるグレードのラム酒を牽引する存在としても知られている。

今回リリースされた「ディクタドール・ジェネレーションズ・アン・ラリック」は、カリブ海の美をインスピレーションした専用ボトルに1976年のヴィンテージラムを詰め、300本のみの限定生産。シリアルナンバー0(ゼロ)のプロトタイプは、サザビーズのオンラインオークションにおいて3万ポンドで落札され、もっとも高価なラム酒のひとつとなった。

3月末、タッグを組んだ2社のラグジュアリーメゾンによるオンラインプレゼンテーションが行なわれ、貴重な限定ラム酒を試飲する機会に恵まれた。

あらかじめ届けられたプレスキットを開けるとテイスティング用の小瓶が入っており、中身は限定ボトルに詰められたラム酒と同じもの! プレゼンテーションの開始に合わせグラスに注いでみると、プラム 、ドライフィグ、リコリス、タバコ、レザー、カラメル……、高貴で官能的な香りが部屋いっぱいに広がった。

「ディクタドール・ジェネレーションズ・アン・ラリック」に
込められた”ふたつの初”


ひとつめは、ラリックにとって初のラム酒用クリスタルボトルだということ。ふたつめは、ディクタトール3代目マスターブレンダーのへルナン・パーラが、先代のマスターブレンダーで父のダリオとともにブレンドした初めてのヴィンテージラム(1976年産)だということ。

ボトルデザインを手掛けたのは、ラリックのアーティスティック&クリエイティブ・ディレクターのマーク・ラミノー。

「カルタヘナを初めて訪れたとき、ヘルナン・パーラに誘われてカリブ海でのボートツアーに出かけ、最高に美しい風景に魅了されました。ミステリアスで幻想的な海が印象的で、カルタヘナでの素晴らしい体験を、ストーリーとしてクリスタルボトルに込めたいと思いました」。

ラミノーは、ラリックの特徴でもあるサテンとクリアのクリスタルのコントラストを駆使するテクニックにより、ボトルを透過する光の戯れを生み出した。

「なにより、ラムの琥珀色を通して、美しい日没のカリブ海を再現したかったのです」。

ボトルに詰められた1976年のヴィンテージラムは、幾つもの樽から慎重に選んでブレンド。さらに厳選したものをシェリーやポート樽で熟成し、もっとも香りが生かされるようアルコール度数43%に調整し瓶詰めされている。

口に含んでみると、より一層甘く、スパイシーで多彩なアロマがゆったりと鼻腔へと抜けていく。甘やかなコクやスパイシーさが絡み合い、複雑味がありながらもじつに上品、壮大な余韻が秀逸だ!

時差の関係でオンラインプレゼンテーションには参加できなかったヘルナン・パーラは、ビデオメッセージで「私のキャリアの中でもっとも素晴らしい瞬間のひとつ、1976年に父とともにブレンドしたラム酒が、ラリックのボトルに詰められた唯一のラム酒に選ばれたことは、ラム酒業界において私が経験する最大の名誉のひとつ。76年はディクタドールの歴史の中でも最高の壮大なブレンドのひとつでもあります」とコメント。

日本での受注販売は4月からスタート。現在、オンラインプレゼンテーションのアーカイブ動画も公開されているので、ご興味ある方はぜひ。

https://youtu.be/OO684SKZ60E

DICTADOR GENERATIONS EN LALIQUE
(ディクタドール・ジェネレーションズ・アン・ラリック)

シリアルナンバー入り、世界300本限定
専用のプレゼンテーションケース、30mlのテイスティングサンプル、証明書付き

アルコール度数:43%
容量:700ml
ボトルの素材:クリスタルガラス
希望小売価格:2,500,000円(税別)

問い合わせ先:ミリオン商事
TEL:03-3615-0411

Text:Etsuko Tsukamoto