
塚本悦子
日本在住/ワインライター・コーディネーター
ワインライター・コーディネーター。JSA認定ソムリエ。12年間に及ぶワインスクール講師を経て、現在はフリーランスで活動。ワイナート本誌では8号より執筆。著書に『30日間ワイン完全マスター』(美術出版社)など。2021年9月より、ビールとワインのセレクトショップ「BIRRA e VINO MASUYO」を運営。

美食のクルーズ船、オーシャニアクルーズ“リビエラ”での「ドン・ペリニヨン・エクスペリエンス」
4月、美食客船として名高いオーシャニアクルーズのオーシャニアリビエラが横浜に寄港。2022年12月の全面リニューアル後、高評価を得ているリビエラの船内にて、航海中に開催されているドン・ペリニヨンと料理のペアリング「ドン・ペリニヨン・エクスペリエンス」を体験! 洗練された船内の様子とともに、レポートする。

オーシャニアクルーズのオーシャニアリビエラは、乗客定員1250人、16階層のデッキからなる客船。パスポートチェック、荷物検査を経て船内に乗り込むと、ラリックのクリスタルレースに飾られた大階段が聳え立ち、非日常な時間へ誘われる。
船内には625室の客室のほか、シアター、カジノ、プール、ジム、スパなどさまざまなパブリックスペースが。スタイリッシュな家具やエレガントなシャンデリアが各所に配された船内には、絵画など数多くのアート作品もさりげなく飾られ、じつに優雅な空間だ。
“洋上最高の美食”を哲学に掲げるリビエラでは、フレンチ、イタリアン、アジアンエスニック、ステーキハウスなど、多彩なレストランが存在。厳選された最高の食材を用いた美食の数々が供されている。
料理とワインのペアリングも魅力のレストラン「ラ・レゼルブ」では、オーシャニアクルーズとメゾン・ドン・ペリニヨンとのコラボレーションによる「ドン・ペリニヨン・エクスペリエンス」を開催。7皿からなるコース料理と、ドン・ペリニヨン3ヴィンテージとのペアリングを堪能できる(上写真は、今回の体験会の会場「ジャック」)。
最初に登場したのは「ドン・ペリニヨン 2009」。ブリオッシュ、マロングラッセ、白桃、レモンピールの華やかな香り。なめらかなテクスチャー。カラメル的な甘香ばしいコクあるボディ深部から、酸や鉱物感がクリアに湧出する豊潤でスケール感ある味わいだ。
料理は、“ホタテのロッシーニ風、モーレネグロとローストパイナップル”。うま味の凝縮したホタテ、フォアグラやソースのコク、パイナップルの甘みと合わせることで、ワインのコクも増長する。
2番目のワインは「ドン・ペリニヨン2012」。カンキツ、白い花、フリンティ、ロースティな香り。澄んだ酸と鉱物感のテンションがある精緻なストラクチャーで、凛としたエレガントさが秀逸。このワインと合わせたのは、“黒トュフとライムのリゾット”と、“チリ産スズキのロースト、クレソンのグリーンカレーソース、ジャガイモのミルフィーユ、オシェトラキャビア”。
リゾットのライム風味と、ワインのもつキリリと引き締まった繊細な酸とのバランスが絶妙で、感動的なペアリング! トロリとした触感のスズキの脂をワインの酸が流し、爽やかな余韻へと導いてくれる。
3番目のワインは「ドン・ペリニヨン・ロゼ2008」。ラズベリー、アセロラ、赤い花、シナモン、クリスピーな香り。凝縮果実味が伝わる厚みあるボディには伸びやかな酸が通い重層的。骨格がありつつもしなやかで、うま味がゆったりと広がる優雅な余韻に酔いしれる。
料理は“和牛のたたき、タコの天ぷら、ニンジンのムースリーヌ、グレープフルーツミントのタルタル、ハイビスカスハチミツのインフュージョン”。そして“熟成AOCチーズ カンタルとブリー・ド・モー、カシスとタイムの花のパート・ド・フリュイ、スイカのチャツネ”。
洋上での“ドン・ペリニヨン・エクスペリエンス”は、異なる個性を放つドン・ペリニヨン3ヴィンテージの真髄を心ゆくまで堪能できる、至福のペアリング体験だ!
[オーシャニアクルーズ公式サイト]
https://jp.oceaniacruises.com/