最終日を飾ったのは、「CHAMPAGNE PIERRE PÉTERS と國領 清貴シェフ・陳 一明シェフのコラボレーションGALAディナー」。

この日の主役は、コート・デ・ブランの「ピエール・ペテルス」。会の冒頭でコロナ禍で来日できない生産者がビデオで登場。解説は輸入元nakatoの布施真氏が行なった。

ピエール・ぺテルスはル・メニル・シュール・オジェ村で1858年に創設。1919年からレコルタン・マニピュランとしてワイン造りを続けている。自社畑は19ヘクタール。06年から、この会の3日後に亡くなった元ヴーヴ・クリコの醸造責任者ジャック・ぺテルスもブレンディングに加わっていたという。

ディナーでサーブされたワインは次のとおり。

キュヴェ・ド・レゼルヴ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ N.V.
Cuvée de Reserve Blanc de Blancs Grand Cru N.V.

黄色いリンゴ、硬めの洋梨、ライムの香り。熟した洋梨のコクのある果実味に、フレッシュさを与えるシトラスの酸のバランスがとてもよい。1988年から良年のみを保存するリザーヴワインを50％以上ブレンド。ドサージュ6～7g/ℓ。
「サーモンマリネのタルタル、ほのかなジンジャーの香り　クルトン添え。鴨ももコンフィ　キャベツ包み　クルミオイルドレッシング　鮪と帆立貝のアンチョビばじりっくソース　パリソワール」とともに。

レゼルヴ・ウブリエ ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ N.V.
Reserve Oubliée Blanc de Blancs Grand Cru N.V.

洋梨、白い花、ドライカリン、レモネードの香り。キリリとドライな味わいながら、洋梨や白桃の充実した果実味もしっかり感じられる。余韻に濡れた白い石の鉱物感が残る。リザーヴワイン100％のキュヴェ。ドザージュ4.5g/ℓ。
「大山鶏とカシューナッツ、栗のオイスターソース炒め」とともに。

スペシャル・レ・シェティヨン ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ 2012
Speciale les Chetillons Brut Blanc de Blancs Grand Cru 2012

細かく持続性のあるムースが口いっぱいに広がる。緻密な洋梨の果実味に包まれた、濡れた白い石の鉱物感が芯となった凛々しい味わい。シャキッと硬質な酸も心地よく、余韻も長い。レ・シェティヨンはメニルの名高い1.2ヘクタールの単一畑。ドザージュ3g/ℓ以下。
「松茸入りふかひれの姿煮」とともに。

キュヴェ “ロゼ・フォー・アルバンヌ” N.V.
Cuvée “Rosé for Albane” N.V.

鮮やかなバラ色。クランベリー、イチゴ、濡れた白い石の香り。ダークチェリーやクランベリーのドライかつ愛らしい果実味を、高い酸と鉱物感が支えた骨格のしっかりしたワイン。シャルドネ60％、ムニエ40％。ドザージュ7～8g/ℓ。リザーヴワイン比率15～20％。娘の名前を冠した07年初ヴィンテージの初めてのロゼ。ムニエはルネ・ジョフロワにオーダーして造ってもらっているそう。
「黒酢スブタ」とともに。

左から、ローズホテル横浜代表取締役社長兼総支配人、李宏道氏、
國領清貴シェフ、
ローズホテル横浜専務取締役アレックス・リー氏。

ワイン解説をしっかりディナーに組み込んだグルメサミットは、「横浜中華街から美食の文化を発信したい」というローズホテル横浜代表取締役社長兼総支配人、李宏道氏と、ワインに造詣の深い専務取締役アレックス・リー氏の発案。ここまでワインを深掘りできるホテルディナーはめったにない。来年の開催は11月15（火）、16（水）、17日（木）。特別企画で11月30日（金）が決定しているそうだ。

Text & Photo：Megumi Nishida