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綿引まゆみ

日本在住/ワインジャーナリスト

会社員を経て、フリーランスのワインジャーナリストへ。ワイナート本誌のほか、ライフスタイル誌、オンラインメディアなどに執筆。ビアソムリエ(JBSA)、チーズプロフェッショナル(CPA)、コーヒー&ティーアドバイザー(ADRJ)。公式ブログ:https://blog.goo.ne.jp/may_w/

2023.06.08
column

ソアーヴェワイン保護協会主催
ソアーヴェワイン・プレゼンテーション

2022年12月、イタリア・ヴェネト州のソアーヴェワイン保護協会によるプレゼンテーションが都内で開催され、イタリアン・プロフェッショナル・ソムリエ林茂によるセミナーと、「SOAVE BY THE GLASSキャンペーン2022」の報告が行なわれた。

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■ヴェネト州のワイン、ソアーヴェ(SOAVE)

ソアーヴェは、イタリア北部ヴェネト州の西側のヴェローナ県に位置するワイン産地である。栽培面積は約7000ヘクタール。伝統的な品種は白ブドウのガルガーネガとトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェで、シャルドネやそのほかの白ブドウ品種も栽培され、年間約5600万本のワインが生産されている。北側にアルプス山脈の分脈があり、山から流れてくる冷たい風の影響を受け、夏も夜間に気温が下がる。白ブドウの生育に最適な気候だ。

<4つのソアーヴェの原産地呼称>
ソアーヴェDOC
ソアーヴェ・クラッシコDOC
ソアーヴェ・スペリオーレDOCG
レチョート・ディ・ソアーヴェDOCG

ソアーヴェの原産地呼称は4つで、1968年にDOC認定された「ソアーヴェDOC」が階層のベースにある。このDOCでは、ガルガーネガは70%以上、トレッビアーノとシャルドネは30%までが使用可能。上記以外の白品種を使用する場合は、生産者保護協会が認めた品種に限り5%まで可能となっている。

近年はガルガーネガ100%で造るワインが多く見られるようになってきた。

「DOCソアーヴェ」の中で、収量や潜在アルコール度数、熟成年数などの一定の規定を満たすと「DOCGソアーヴェ・スペリオーレ」(2002年認定)の表記が可能となる。また、伝統地域であるクラッシコエリアで栽培されたブドウを使用したワインは「クラッシコ」と表記できる。

「DOCGレチョート・ディ・ソアーヴェ」は甘口ワインで、ヴェネト州で初めて認定されたDOCGである(1998年)。

原産地呼称認証ワインに貼られるシール。写真はDOC Soave。

ソアーヴェの地域は火山の影響を大きく受け、ブドウ畑は地質、標高、斜度、向きなどによって変化に富み、それぞれの区画から特徴のあるワインが造られている。ソアーヴェでは、1995年に区画に関するプロジェクトが始まり、2008年に45の指定区域と56のクリュが発表された。現在、そのうち33のクリュが、ラベルへのクリュ名表記を認められている。

多くの生産者から、個性豊かなワインが造られている。

スパークリングワイン、カジュアルに楽しめる軽快なタイプ、上級クラスのスペリオーレ、土地の個性を味わうクリュワイン、甘口と、多彩なソアーヴェのワインは、さまざまな飲み方やフードペアリングが楽しめる。また、食事の最初から最後までをソアーヴェのワインだけで通すことができるという、この使い勝手のよさも魅力といえよう。

多彩なスタイルのソアーヴェワインは、イタリア料理だけでなく、さまざまな料理とのペアリングの可能性も広がる。
とくに和食とのペアリングは、林茂ソムリエのイチオシ。



イタリアン・プロフェッショナル・ソムリエの林茂。



■Soave By The Glass Campaign 2022結果発表

ソアーヴェワイン保護協会(Consorzio di Tutela Vini Soave)では、ソアーヴェをより幅広い業態の店舗で扱ってもらい、より幅広い消費者に楽しんでもらうことを目的に、料飲店を対象とした「Soave By The Glassキャンペーン」を毎年実施している。新型ウイルスの影響で2021年は見送られたが、キャンペーン9回目となる「Soave By The Glass Campaign 2022」が、7月15日(金)~8月31日に実施された。

今回は355店舗が参加し、4つのカテゴリーごとに審査。厳正な審査の結果、各カテゴリーの最優秀店舗が選出され、ソアーヴェ研修旅行(2023年に招待)が贈られた。また、期間中に対象ワインを100本以上使用した店舗には「Ambasciatore di Soave in Giappone(日本におけるソアーヴェ大使)」の称号と記念品が贈られた。

<各カテゴリー最優秀店舗>
受賞4店舗/副賞:ソアーヴェ研修旅行 
1) イタリアン・レストラン(バール、ワインバー等を含む)部門で販売数最多の店舗:パスタ・パスタ(福岡)
2) 販売数÷席数の指数がもっとも高かった店舗:キッチン・ビッション(京都)
3) 販売したワインの金額(対象ワインリストに記載されている標準価格にて計算)がもっとも高かった店舗:トリアンゴロ(大分)
4) イタリアン以外の飲食店部門で販売数最多の店舗:カモシヤ(愛知)

<日本におけるソアーヴェ大使>
受賞31店舗
カフェ ダイニング レンガ W/セミーナ(北海道)
トラットリア・アルチゴーラ(新潟)
トラットリア・デル・ソーレ(宮城)
ビッレリア カッパ/WINE HOUSE 南青山/シャルル/クワトロチェント/ワイン酒場トンマーゾ(東京)
イタリア料理モナリザン(神奈川)
カモシヤ(愛知)
バブルガム/ビストロ・セー/ヴェルナ イル ヴィアーレ/キッチン・ビッション/ダニエルズルーチェ/KAKIMARU七条店/バール・デル・ノンノ/イタリアワイン Enoteca C.d.G/室町二條 みのや/オステリア・コチネッラ(京都)
ノルド/菜家イタバル デ、キータ(大阪)
Taverna LA LIBERTA’(香川)
Baffone (高知)
ルミーノカリーノ(愛媛)
パスタ パスタ/kasa/生牡蠣と魚介炭火焼_Carbon(福岡)
トリアンゴロ/バル ブルローネ(大分)