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吉田恵理子

フランス在住/ライター・エッセイスト

ライター・エッセイスト。フランス、パリ在住。 HEG(美食に関する最先端研究機関)卒、WSETアドヴァンスト、SSA酒ソムリエ。著書『ランチタイムが楽しみなフランス人たち』(産業編集センター)、『ワインを飲めばすべてうまくいく 仕事から恋愛まで起こる10のいいこと』(インプレスICE新書)。

2019.05.11
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ギャラリー・ラファイエットがシャンゼリゼ通りにオープン、人気店揃いのフードコートに注目!

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今年3月28日にオープンしたギャラリー・ラファイエット シャンゼリゼ。凱旋門から徒歩10分、メトロのフランクリン・D・ルーズヴェルト駅からすぐのシャンゼリゼ通り沿いにあり、アクセスもかなり便利。地上3階、地下1階とデパートにしては小さめだが、ラファイエット初の「コンセプトストア」として、ファッションフロアにはパーソナル・スタイリストを配置するなど、これまでにない個性的な店舗となっている。

月曜から土曜日までは深夜0時までオープンしているというのも、ちょっと信じがたいほど有り難い。観光や出張でパリにやってきて、買い物しようにも夜は店がどこも閉まっていて困った、という人も少数ではないはずだ。シャンゼリゼ通りに夜ショッピングの救世主現る、である。

ファッションやビューティフロアは他媒体にお任せするとして、ここではフードフロアに注目したい。地下フロアにあるフードコート、その名もThe food court。日本では食品フロアがデパートの地下にあるのは一般的だが、パリで食品フロアが地下にあるのは初のこと。まさにパリ初の「デパ地下」である。

10店舗の厳選されたショップに含まれるのは、1930年から続くシャルキュトリの老舗 Maison Vérotが手がけるLe Comptoir Vérot、マドレーヌ広場にレストランを構える高級キャビア店 KaspiaのKaspia Deliなど、どこもパリに来たら訪れたい店ばかり。これらの店で購入し、フロアにあるテーブルで気軽に食べることができる。地中海料理の店Riviera、おしゃれなチャイニーズのLittle Zhaoもあるので、その日の気分で食べたいものを選べる。

Verot

もちろん、スイーツもしっかり揃っている。ルイ15世のパティシエにより1730年に創業されたパリで最も古いパティスリーのStohrerは、ここが史上初の支店。初代が開発したババなど、人気シェフのジェフレー・カーニュによる伝統を守りつつも新しさを感じさせる味わいのケーキたちは必食だ。また、パリ最古のショコラティエ À la Mére de Familleやピエール・マルコリーニ、ル・ショコラ・アラン・デュカスなどもあり、お土産の購入にも便利。

stohrer



A la Mère de famille

さて、気になるワインはというと、パリ11区にある人気ビストロ&ワインショップのYARDが手がける店が、フロア唯一のワイン売り場となっており、なんとナチュラルワイン100%なのである!

デパートのワイン売り場というと、比較的保守的なものを想像するだろう。実際、ラファイエットのオスマン店にあるワインショップは、中心にボルドーワイン専門エリア「ボルドーテック」を配するなど、伝統的かつ安定感ある品揃えが特徴だ。しかし、シャンゼリゼ店は違う。

「品揃えは常時280種で、すべてビオ(オーガニック)かビオデナミ。100%ナチュラル・ワインです」と、YARDソムリエのロレンツォさん。フランスのみならずイタリア、スペインのものも数多く揃える。店内にはワインバーもあり、フランク・コルネリッセンのMagmaなど希少なワインもグラスで飲める。老舗デパートが仕掛ける「コンセプトストア」に入ったのがナチュラルワインの専門店だということに、パリのみならず世界の各都市で起こっているナチュラルワインのムーヴメントの強さと時代の流れを感じた。

【店舗情報】
ギャラリー・ラファイエット シャンゼリゼ
Galerie Lafayette Champs-Elysées

所在地:60, avenue des Champs-Elysées
営業時間:月〜土 10:30〜24:00、日 10:30〜21:00
定休日:年中無休
URL:https://www.galerieslafayettechampselysees.com/