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2020.02.10
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【短期連載 第2回】ミラノから車で30分。次に訪れたいのは、フーディ注目のパヴィア

ワイン愛好家にとって、イタリアという国は魅力的すぎる国だ。どこに行っても、何らかの地元ワインにありつけるのだから。 もちろん、人気観光地であるミラノ、ローマ、フィレンツェだってその例にもれません。イタリアの食のトレンド発信地でもあるミラノからほど近いパヴィアの街、そこには美味しいワインと料理、さらに素敵な街並みがありました。連載第2回は、お待ちかねのワイン生産者を訪ねましょう。

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オルトレポーパヴェーゼ。ワイン産地としても知られるエリアです。「パヴィアのオルトレポー(ポー川の下側)」を意味するこの土地には、アルプスなどを源流とするポー川が流れています。「イタリアの台所」とも称されるポー平原に、肥沃な農作地を形成する重要な川です。その流域でピノ・ネロの植樹を増やし、近年では国外からもピノ・ノワールの産地としてワイン愛好家からも注目を集めています。ピノの生産量としては、ヨーロッパ第3位(世界では第5位)の規模を誇るエリアとなりました。

ピノ・ネロだけじゃない、地場品種の魅力が全開

 

当主のジョヴァンナさん。息子さんも16年の収穫からワイン造りの道へ

訪れたテヌータ・モンテリノは、山(=モンテ)と太陽(=テリノ)を意味する名前をもつ家族経営ワイナリー。現在、オーナーを務める7代目のジョヴァンナ・ブラッツォーラさんが取材チームを出迎えてくれました。太陽のような包容力と温かみのある、笑顔の似合う女性です。
ワイナリーの設立は1848年。現在所有する78haの土地のうち、ブドウ畑は27ha、そのほかの土地では麦の栽培やアグリツーリズモ(農家を利用した宿泊施設)の運営などもしています。

 

小高い丘からなだらかに広がるブドウ畑

小高い丘のあるブドウ畑は標高140~280mに広がっています。石灰岩の土壌を粘土質の表土が覆うので、土のなかでは適度な湿度を保たれるとのこと。栽培品種は、お隣のピエモンテ州の品種としても知られるコルテーゼや、1951年植樹の古木も残るバルベーラがメインで、この辺りではクロアティーナと呼ばれるボナルダやウーヴァ・ラーラなど地場品種の割合が多いそう。買いブドウは使っていません。認証取得こそしていないものの、畑ではビオロジック栽培を行っています。「最近ではコルテーゼを続けるワイナリーが少なくなったけれど、1803年に先祖がこの土地を最初に取得した当時から植わっていたブドウだけに、これからも続けていきたいわ。名前も、ジェントル(=コルテーゼ)とか宮廷(=コルテ)といった意味もあって、それもコルテーゼが気に入っている理由でもあるのよ(笑)」と、ジョヴァンナさん。

 

地場品種はグイヨ仕立て。ピノ・ネロとメルロはコルドン仕立てを採用

畑から戻り案内された地下の樽庫は、温度コントロールはせずとも、通年で室温16度くらいをキープ。熟成にはフランス産とオーストリア産の木樽を容量違いで使っていますが、オーストリア産の樽がよい結果を出しているようです。
そして、お待ちかねのテイスティングルームへ。
ジョヴァンナさんイチ押しのコルテーゼは、白い花やハーブ、リンゴや洋梨などの豊かなアロマが感じられつつも、軽やかな口当たりでするっと飲めます。地元では、やさしい味わいのカエル肉のリゾットと合わせるのが定番とのこと。

 

ワイナリーでワインを買って、パヴィア県南端のバルツィ地区で造られるサラミと!

試飲したなかで興味深かったのは、クロアティーナのフリッツァンテ(商品名はBonarda dell’Ortrepo Pavese Frizzante)と、ピノ・ネロ100%で造ったスプマンテ(Spumante 17 Fiorilre)。スプマンテのほうはシャルマ製法では珍しく、6カ月の長期にわたって二次発酵させています。じっくり発酵させているだけあって、泡も細やかで味わいにもコクがあります。どちらも食べ物がほしくなる味わいで、フリッツァンテは現地でのアペリティーヴォにはほぼ間違いなく登場するDOPヴァルツィ(塩が強めで肉の濃厚な味わい)のサラミと抜群の相性! スプマンテは米のうま味をしっかり感じられるリゾットがぴったりな味わいでした。

 

テヌータ・モンテリオ
http://www.montelio.it/(ワイナリーHP)
http://www.apidea.co.jp/brands_2montelio.html(輸入元HP)

 

Photo & Text : Winart
Special thanks to Chamber of Commerce of Pavia & The Italian Chamber of Commerce in Japan