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2020.02.10
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【短期連載 第3回】ミラノから車で30分。次に訪れたいのは、フーディ注目のパヴィア

ワイン愛好家にとって、イタリアという国は魅力的すぎる国だ。どこに行っても、何らかの地元ワインにありつけるのだから。 もちろん、人気観光地であるミラノ、ローマ、フィレンツェだってその例にもれません。イタリアの食のトレンド発信地でもあるミラノからほど近いパヴィアの街、そこには美味しいワインと料理、さらに素敵な街並みがありました。連載第3回はパヴィアを食せるスポットをチェック。

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第1回でお伝えしたとおり、パヴィア県は質量ともにヨーロッパNo.1の米どころ。そして地元民にとっては、リゾットはもはやソウルフードに近い存在。使用する食材や味付けも多様で、四季折々のリゾット料理が楽しまれているようだ。ここではこれからの季節に味わいたいリゾットコレクションを、おすすめレストラン別にハシゴしていきましょう。

白ワインも赤ワインもイケる、リゾットは万能!

 

パヴィア市街地のラ・トッレ・デッリ・アクイラのアスパラガスのリゾット

まず1軒目。パヴィア中心街にある、おばあちゃんの手料理を思わせるような料理を食べさせてくれるレストラン、ラ・トッレ・デッリ・アクイラ。ここでいただいたのは、アスパラガスのリゾット。せっかくなのでワインは、地場品種からコルテーゼを選んでみてはどうでしょう。シンプルな塩味がやさしい果実感と合いそうです。パヴィアの郷土料理を体験したいという方にはマストなアドレスです。

 

ロカ・チウカの、パヴィア名物カエルのリゾット

2軒目は、観光スポットであるスフォルツェスコ城前の広場の一角にあるレストラン、ロカ・チウカ。店名は日本語に訳すと「酔いどれガチョウ」。このレストランのあるヴィジェーヴァノの町はユダヤ人の住人も多く、宗教上、四足動物を食べることのできない彼らがガチョウ肉を食べに通う店なのだとか。ここでは、パヴィア名物カエルのリゾットを。ベースとなるフレッシュチーズのブッラータがみずみずしく、上品な味わいなのですが、仕上げにトマトパウダーを振りかけると、ドライなトマトの酸がチーズのうま味をぐんと一段引き上げてくれます。ワインはリースリングが圧倒的に◎。こちらでは米粉パンも焼いていて、テーブルでオーダーすることも可能です。

 

カシーナ・ヴィットリアの、アルティザンなアスパラリゾット

続いて、スローフード系の話題のレストランを覗いてみましょう。カシーナ・ヴィットリアのシェフ、ジョヴァンニ・リッチャルデッラさんは新進気鋭の若手として注目されている人物です。取材チームに作っていただいたアスパラガスのリゾットは、食べるには硬い剥いたアスパラの皮から取ったスープで、繊細な味わいを表現していました。「リゾット アスパラ360°」と名付けられた、まさにその料理名の通り、アスパラに含まれているすべての味わいを活かしたひと皿。

ここでソムリエのマルコ・リッチャルデッラさんは、ポルトレ・ロッソ 2015 ステファノ・ミラネージなる赤ワインを注いでくるではありませんか。聞けば、バルベーラ、クロアティーナ、ウーヴァ・ラーラのブレンドワインだという。半信半疑で合わせてみれば、……合うではありませんか! 「リゾットはクリーミーであるべき」とのジョヴァンニさんのモットーのもとに仕上げられたひと皿は、梅のニュアンスとハーバルな抜け感をもつこのおだやかな赤と、ぴったりと同調するのでした。

 

カシーナ・ヴィットリアのキッチンスタッフ。右から3人めがジョヴァンニさん

ちなみに、ジョヴァンニさんは独自のイーストを使ってさまざまなパンを焼いています。とくにパネットーネには思い入れがあるようで、通常は10月からクリスマスシーズンまでしか食べないパネットーネを、通年楽しんでもらいたいと研究を重ねているとのこと。この日はイチゴのパネットーネ(20個分の記事に5キロのイチゴを投入‼)を試食させていただきました。イタリア全土のベスト・パネットーネに選ばれたという腕前をもつ彼のパンもまた、一食の価値アリです。

 

ラ・トッレ・デッリ・アクイラ
http://www.latorredegliaquila.it

ロカ・チウカ
http://www.locaciuca.com/

カシーナ・ヴィットリア
http://cascinavittoria.it

 

Photo & Text : Winart
Special thanks to Chamber of Commerce of Pavia & The Italian Chamber of Commerce in Japan