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2020.02.10
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【短期連載 第4回】ミラノから車で30分。次に訪れたいのは、フーディ注目のパヴィア

ワイン愛好家にとって、イタリアという国は魅力的すぎる国。どこに行っても、何らかの地元ワインにありつけるのだから。 もちろん、人気観光地であるミラノ、ローマ、フィレンツェだってその例にもれません。イタリアの食のトレンド発信地でもあるミラノからほど近いパヴィアの街、そこには美味しいワインと料理、さらに素敵な街並みがありました。連載最終回は観光スポットや宿泊施設のまとめ情報です。

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せっかく新たな街を旅するなら、ワインや食だけでなく、街並みや文化、歴史とともにその土地にあふれるたくさんの要素にふれたいもの。街の人々のアイデンティティとなっているティツィーノ川。学生街ならではのアカデミックな雰囲気と、各地から集まる学生たちによる活気。14世紀のヴィスコンティ家ミラノ公国の統治下で繁栄の時代に生まれた、美しい城や教会、芸術品の数々。ミラノで働く人々のベッドタウンでもあるこの街の、訪問すべきアドレスを(少し長いですが)駆け足でご紹介しましょう!

パヴィアに行くなら! このアドレス《名所編》

Spot1 : パヴィア大学と中心街

 

パヴィア大学キャンパス内

パヴィア市街地のマップを広げてみると、街の中心にパヴィア大学の敷地が広がっています。14世紀に置かれたパヴィア大学のキャンパスは街の一部となっていて、基本的には観光客も出入り自由です。ここを拠点にそのままふらりと散歩を続ければ、半日くらいでおもな街の観光スポットをまわれそうです。

 

ヴィスコンティ城のパリオ・デル・ティツィーノでのパフォーマンス

たとえば、ルネッサンス期の貴重な建物で、イタリア国内で3番めに大きい教会として知られるドゥオーモ(トップ画像)。内部に美しい回廊式庭園が広がるヴィスコンティ城。城の中には市立博物館が置かれているので、歴史的展示物や絵画を堪能できます。また、毎年6月中旬開催の「パリオ・デル・ティツィーノ」というお祭り(2020年は6月13日、14日に開催予定)は、1431年にミラノ軍とヴェネツィア軍の戦いでの勝利を祝うもの。ヴィスコンティ城でのガラ・ディナーやティツィーノ川でのボートレースが行われます。ティツィーノ川のファサード付きの橋「コペルト橋」も人気観光スポットのひとつです。
 

ViviPavia(ツーリスト・インフォメーションサイト)
http://www.vivipavia.it/

ヴィスコンティ城
https://www.castellovisconteo.it/

パリオ・デル・ティツィーノ
https://www.in-lombardia.it/en/event/palio-del-ticino

 

Spot2 : パヴィア修道院

 

外観。この一帯は修道院名がそのまま町の名前となり、チェルトーザ・ディ・パヴィア町となっている

パヴィアの中心街から北へ8キロ。1396年にヴィスコンティ家により、一族の霊廟としての教会を建築を命じられたのがこの建物です。ヴィスコンティ家とその後ミラノ公国の支配者となったスフォルツァ一族が祀られたこの修道院は、地域コミュニティの中心としても機能していました。修道士たちの努力により、灌漑施設や地下倉庫での冷蔵保存方法を地域に広め、経済発展にも貢献したと言われています。

 

入口正面にある祭壇。ブルーが美しい

ゴシック様式の大理石の美しいファサードもさることながら、聖堂の祭壇、回廊の美しさには目を奪われてしまいます。オルトレポーパヴェーゼ地区にあるので、ワイナリー訪問と合わせての見学がオススメです。月曜休館。開館時間は9:00-11:00/14:30-16:30(季節により閉館時間は異なります)。ちなみにパヴィア周辺でよく見かける蛇のマークはヴィスコンティ家の紋章で、現在は自動車メーカー・アルファロメオ社のロゴとしても使用されています。
 

パヴィア修道院
http://www.certosadipavia.it/

 

Spot3 : ドゥカーレ広場&スフォルツェスコ城

 

イタリアでいちばん美しいファサード。後ろの塔と角度が微妙にずれている

この連載の第1回でご紹介したサン・マッシモ自然保護区のあるヴィジェーヴァノは、靴の製造がさかんな街としても知られています。せっかくこの街に立ち寄るなら、ドゥカーレ広場とスフォルチェスコ城にも足を運びたい。街のドゥオーモ前にに広がる広場は、レオナルド・ダ・ヴィンチの設計をもとにつくられました。ドゥオーモに設置された「イタリアで最も美しい」とされるバロック様式のファサードとともに、美しい景観をつくり出しています。
スフォルチェスコ城は、14世紀にヴィスコンティ家がミラノのドゥオーモまで続く道を監視するための要塞とともに建てられた、重要な軍事拠点。要塞と城は全長164キロにも「および、ヨーロッパ最大とされるその設備でピエモンテ軍の侵略を防いでいました。建物はほぼ当時のまま残されているので、そのスケール感を実際に見学することもできます。
 

ドゥカーレ広場&スフォルツェスコ城
https://www.comune.vigevano.pv.it/turismo/it/cosa-vedere/il-castello-e-il-palazzo-ducale

 

パヴィアに行くなら! このアドレス《グルメ&ステイ編》

Spot1: アグリパヴィア

 

パヴィア県産のこだわりの生産者からの産物が揃う

パヴィア大学で学んでいたエリカ・ドナートさんが、パヴィア県産の食材店の立ち上げプロジェクトを発案。行政と組んで、2016年にオープンした食材店です。エリカさんが1軒ずつ生産者を訪問して、商品を直接買い付けます。取り扱い商品は、野菜(赤タマネギ、カボチャ、アスパラなど)、果物(チェリー、リンゴなど)豆、米、サラミ、チーズ、パン、ワイン、クラフトビールなど、パヴィア県産のみ。パヴィア旅行のお土産を探すなら、まずはここを訪れたい。店内でイベントが開催されることも。
 

アグリパヴィア
https://agripavia.eu/(公式HP)
https://www.latest.facebook.com/agripavia/ (Facebook)

 

Spot2 : アルベルゴ&リストランテ・セルヴァティコ

 

レストランを切り盛りするシェフのピエラさん(左)と娘のミケーラさん

オルトレポーパヴェーゼ地区リヴァナッツァーノ・テルメという温泉街にある、1912年創業の老舗B&B。創業以来、ずっとセルヴァティコ家が経営しており、客室は当時から引き継がれたアンティーク家具のしつらえ。併設のレストランでは地元の有名シェフ、4代目のピエラ・セルヴァティコさんとその娘のミケーラさんが厨房に立ちます。こだわりの生産者から地元さんの良質な食材を仕入れ、伝統的な地方料理を提供するスローフードレストラン。ピエラさんのスペシャリテであるリゾット料理はもちろん、地元のワインも揃います。宿泊客は希望すれば、料理教室、パン教室、地元のフードとワインのテイスティングなども体験可能。ホテルの宿泊は全13部屋、シングル 1部屋1泊55ユーロ、ツイン 1部屋1泊80ユーロ~。

入って正面にある祭壇。ブルーが美しい


 

アルベルゴ&リストランテ・セルヴァティコ
https://www.albergoselvatico.com/

 

Spot3 : アグリツーリズモ・キエリコーニ

 

入口脇のスペースでのアペリティーヴォは最高!

オルトレポーパヴェーゼ地区にある、ビオロジック農園を運営する農業体験型の宿泊施設。農園ではワイン用ブドウをはじめ、イチゴやモモ、プルーンなどのフルーツも栽培しており、収穫体験も可能です。週末にはレストラン「カシーナ・キエリコーニ」もオープンし、ここでは自家製ワインや地物の食材をふんだんに使った料理を堪能できます。

 

アグリツーリズモ・キエリコーニ
http://www.cascinachiericoni.it/(公式HP)
https://www.facebook.com/agriturismofattoriadidatticachiericoni/(Facebook)

 

Spot4 : アルナボルディ・パラス

 

かつては地元有力者のサロンとして使われていた空間。朝食はここでいただく

2017年にオープンした、新しいラグジュアリーB&B。1882年にミラノのガレリアを模して建設された建物をエレベータで最上階まで上がると、そこには1フロアに8つのスイートルームのみで構成された贅沢空間が広がります。パヴィア大学からほど近い街の中心地にあり、テラスから一望できる街の眺めが心地よい。「生活するように使ってほしい」とオーナーのパオロ・チェリアーニさんが語るように、各部屋にはアート作品とシックなアンティーク家具が趣味よく配置され、ホテルというよりも生活空間を思わせる設えになっています。バスルームもゆったり。「8部屋だとスタッフとゲストとの距離感が近いので、5つ星ホテルレベルのサービスができるのです」と、パオロさん。ドゥオーモ前に系列のブティックホテル「レ・スタンツェ・デル・カルディナーレ」あり。

 

アルナボルディ・パラス
https://arnaboldipalace.com/

レ・スタンツェ・デル・カルディナーレ
https://lestanzedelcardinale.com/

 

Photo & Text : Winart
Special thanks to Chamber of Commerce of Pavia & The Italian Chamber of Commerce in Japan