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2021.12.13
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世界的コンクールでベストに選出 テロワール至上主義が生み出す、ブラン・ド・ノワールの可能性

シャンパーニュ地方最南端のレ・リセ。モンターニュ・ド・ランスの白亜質土壌とは異なるキメリッジアン土壌のピノ・ノワールから、個性豊かなシャンパーニュが生み出される。

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最南端のレ・リセは
ピノ・ノワールの銘醸地

いま、ランスやエペルネの大手メゾンが、皆こぞってピノ・ノワールの買い付けに奔走する産地こそシャンパーニュ地方南部のコート・デ・バール。中でも太陽王ルイ14世の時代より銘醸地との誉高き最南端のレ・リセは注目の的だ。

ドメーヌ・アレクサンドル・ボネは1783年、そのレ・リセに設立された。今日、47ヘクタールのブドウ畑を所有し、「ドメーヌ」の名のとおり、自社畑のブドウのみからシャンパーニュを醸造。さらに赤白2種類のコトー・シャンプノワ、それにロゼ・デ・リセも造っている。

メゾンの歴史は古く、設立は革命前夜の1783年。
館は15~18世紀にかけて建てられた。
レ・リセはシャンパーニュ地方の最南端に位置し、
トネール、シャブリが目と鼻の先にある。


ブルゴーニュとの境界線にあるこの地域の造り手はランスやアヴィーズではなく、ディジョンやボーヌで醸造を学ぶ者が多いと聞く。発泡性ワインの造り方に特化したシャンパーニュの学校に対し、ブルゴーニュではテロワールの重要性やブドウ栽培の大切さをまず学ぶ。アレクサンドル・ボネの栽培と醸造の責任者はともにブルゴーニュ仕込み。ブドウ畑では除草剤や殺虫剤の使用を止め、化学肥料は不使用。国の環境認証であるHVEレベル3を取得と、テロワール重視の姿勢に揺るぎはない。

卓越したピノ・ノワールの産地なだけに、メゾンの自信作はブラン・ド・ノワール。キメリッジアン土壌で育まれたピノ・ノワールから、果実味豊かで骨格のしっかりしたキュヴェが生み出される。2020年のシャンパーニュ&スパークリングワイン世界選手権で、ベスト・ブラン・ド・ノワールに選ばれた逸品だ。

この地域の土壌は北部の白亜質と違い、
キメリッジアンの石灰粘土質土壌。
メゾンでは樹齢60年以上の古木からマサル・セレクションをした
優良な苗木を育てている。


また単一畑のラ・ジオンドでは主要3品種に加え、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・グリ、ピノ・ブランも栽培。全7品種をブレンドしたキュヴェも醸造する。チャレンジ精神にもあふれたメゾンである。



ラ・ジェアンド 7セパージュ 2017
La Geande 7 Cépage 2017

7品種がブレンドされたこのキュヴェはまさに万華鏡。ある時は柑橘、ある時は草花、ある時は白い果実というように、さまざまなフレーバーが次々現れる。ドザージュゼロの完全辛口。(16,500円)

ブラン・ド・ノワール N.V.
Blanc de Noirs N.V.

すり下ろしたリンゴにハチミツやマジパン。ふくよかな果実味が感じられ、アタックも柔らかな一方、ストラクチャーがしっかり。丸みを帯びた酸味が調和を取る。クリーミーな仕上がり。(8,800円)

[お問い合わせ先]
株式会社都光
Tel:03-3833-3541
https://www.toko-t.co.jp

Text:Tadayuki Yanagi