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2021.12.20
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伝説のソムリエがプロデュース 美食への情熱が生んだ、鳥肌が立つスペインワイン

分子ガストロノミーで食の世界に革命を起こした「エル・ブジ」。そのスピリットを受け継ぎ、世界を驚かせるワインが登場した。

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ワインはガストロノミーの一端を担い、エンターテインメントの極致に位置するもの。ならば造り手としてこれほどふさわしい人物はいないかもしれないーーダビッド・セイハス。料理らしからぬ外観と、それを裏切る驚愕の味わいの噂に世界の美食家が殺到したスペイン伝説のレストラン、「エル・ブジ」のシェフソムリエである。

意外性のある分子料理とのペアリングを研究していたダビッドが手がけたのは「ガッジーナ・デ・ピエル」、スペイン語で“鳥肌”を意味する。その名の通り、ボトルをひと目見ればゾクゾクするような期待が高まり、料理とともに口にしたときにその真価がわかるような、驚きのワインに仕上げた。

厳選した優良産地の良質なブドウを使うバリューラインと、ダビッドがゆかりのある場所に由来する「ルーツ」と名付けた上級レンジ、ともにスペイン固有品種数種をブレンドした白と赤のラインナップ。

ラベルにはダビッドを表す鶏があしらわれ、ルーツの2アイテムにはセパージュやテロワール、アロマ、栽培や醸造方法がそれぞれブドウの葉や建築物、植物、特産品のアイコンにより「ワインの秘密」として描かれていて、まるで謎解きのよう。もちろんペアリングもばっちり示唆されている。

まるでアトラクションのごとく興奮しそうなプレゼンテーションだが、造りは堅固で高品質。その中身、味わいは決して奇をてらってはいない、真にガストロノミックなスペインワイン。そこにまた、鳥肌が立つのである。

イキガイ 2020
ikigall 2020

DOペネデス、日本語の生きがいに由来。有機認証取得の樹齢50年のチャレッロ主体、ほか白2品種。イエローの色調でグレープフルーツのゼスト、横に広がる酸とミネラルの塩味。(1,980円)

ミメティック 2019
Mimetic 2019

ガルナッチャの伝統産地カラタユドの樹齢35~80年の古木。熟したプラム、口中に広がる果実味、かすかに乳酸の酸味。シャルキュトリーからラムのローストまで幅広くペアリング。(1,980円)

マナール・ドス・セイシャス 2019
Manar dos Seixas 2019

ダビッドの父親のルーツのDOリベイロ。トレイシャドゥーラ主体、ボリューミーで優しい酸の白。ラベルにはシュール・リー熟成や特産品のタコとのペアリングをパンやタコのイラストで表現。(3,850円)

ロカ・デル・クリ2019
Roca del Crit 2019

DOエンポルダ。自転車で通ったエル・ブジ近くの畑のカリニェナ主体、仏オーク(一部新樽)で1年熟成。プラムコンポート、バラ、シナモン、コーヒー。タンニンは溶け込み酸と調和する。(3,850円)

[お問い合わせ先]
株式会社都光
Tel:03-3833-3541
https://www.toko-t.co.jp

Text : Hiromi Tani