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2022.09.06
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チリ初のアイコンワイン、セーニャから
最新ヴィンテージ2020と
初めてのセカンドワインが9月にリリース開始

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■チリ初のアイコンワイン、セーニャ

チリはコスパがいいだけのワイン産地ではない、世界の銘醸地に肩を並べるポテンシャルのある土地だということを、初めて世界に知らしめたワイン、それがセーニャだ。

セーニャは1870年創立の老舗エラスリスと、ロバート・モンダヴィのジョイント・ベンチャー。1991年にロバート・モンダヴィがチリの可能性を探るべく訪問したさい、エラスリスの6代目エデュアルド・チャドウィックが案内役を務めたのがきっかけでふたりは出会った。

海に近すぎるとボルドー系品種は熟さないし、内陸に深いと暑すぎる。最適地を探すのに4年を費やしたすえに彼らが選んだのはアコンカグア・ヴァレー。海から40km離れた丘陵の斜面に畑を拓いた。土壌は砂利を30%から50%含む粘土シルト質からシルト・ローム質の崩壊質土壌。岩が多く水はけがよい。

栽培品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、マルベック、メルロ、プティ・ヴェルド、カベルネ・フラン。当初はカベルネ・ソーヴィニヨンが品種構成の90%前後を占めたが、徐々にマルベックやカルメネールの植樹を増やした。2005年からはビオディナミも導入している。


■セカンドワイン、ロカス・デ・セーニャ初登場

ロカス・デ・セーニャの名は、アコンカグア・ヴァレーの岩の多い土壌に敬意を表して命名。セーニャと同じレベルの栽培や醸造が行なわれ、ブレンドやテイスティングでセーニャ用から外れたロットに、セーニャの畑の近くに99年から一族が所有するシラーやグルナッシュをブレンドしている。マルベックの比率がセーニャより高いのも、ロカスの個性を特徴づける大きな要因だ。

■セーニャ 2020 & ロカス・デ・セーニャ 2020

Seña 2020
セーニャ 2020

スミレ、ラズベリー、グラファイト、ローズマリー、リコリス、ほのかなバニラの香り。熟したプラムやスミレの濃厚な果実味と、なめらかに厚いタンニンのリッチな味わいを、グラファイトの強い鉱物感がキレイにまとめエレガントに仕上げている。ハーブと甘いバニラの風味の余韻が長い。

品種構成:カベルネ・ソーヴィニヨン53%、マルベック25%、カルメネール15%、プティ・ヴェルド7%
アルコール度数:13.5%

フレンチオークの新樽90%、フードル10%で22カ月熟成。

Rocas de Seña 2020
ロカス・デ・セーニャ2020

パプリカ、プラム、カカオ、ジャンシアン、レザー、スミレの華やかな香り。完熟したプラムやダークチェリーの果実味に、高い酸がフレッシュな抜け感を与えたジューシーなワイン。スモーク、スパイス、濡れた黒い石の強い鉱物感のレイヤーが複雑さを与える。

品種構成:マルベック38%、シラー25%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、グルナッシュ14%、プティ・ヴェルド8%
アルコール度数:14%

新樽率65%のフレンチオークで22カ月熟成。

セーニャの飲み頃を待つ間にロカスを楽しむのもいいが、ロカスはセカンドワインという位置づけを超えた個性と完成度を備えているので、まずはぜひとも試してみてほしい。

■2020ヴィンテージについて

今回リリースした2020年ヴィンテージを、ワインメーカーのフランシスコ・ベッティグは「温暖で早熟なヴィンテージ」と言う。

例年と同時期に芽吹きがはじまり、高い気温が続いたことで開花は早め。12月、1月もおだやかな気候が続き、ヴェレゾンも順調に進行。2月に太平洋からの涼風の影響でブドウの酸とアロマが形成され、3月には晴天が続き、過去の平均より7日早い3月第2週に収穫がスタートした。

セーニャ2020、ロカス・デ・セーニャ2020ともに9月に全世界に向けてリリース予定。

Text : Megumi Nishida