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2022.09.07
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プレミアム・チリワイン、ヴィニェド・チャドウィック
2020ヴィンテージ リリース

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プレミアム・チリワインを手がけたパイオニア、チャドウィック家がその名を冠したワイン「ヴィニェド・チャドウィック」。この2020ヴィンテージが9月8日にリリースされる。

英国人鉱山エンジニアのトーマス・チャドウィックがチリに拠点を築いたのは1820年。その子孫であるドン・アルフォンソ・チャドウィックは、チリのワイン産業の近代化を進めたパイオニアであり、かつ、チリのナショナル・チームのキャプテンを長年務めるほどの最高のポロ選手であった。

ドン・アルフォンソは、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適な土地として知られるマイポ・ヴァレーのプエンテ・アルトに土地を購入。屋敷とポロの競技場を建設し、日々ポロの鍛錬に励んでいた。

アルフォンソの息子で現当主のエデュアルド・チャドウィックは、この地の優れたテロワールに着目。世界レベルの高品質ワインを造ろうと、ポロ競技場をブドウ畑に転換するよう父を説得して、1992年にポロ競技場だった15ヘクタールの土地にカベルネ・ソーヴィニヨンを植樹。一族に伝わるワイン造りの伝統と技術を駆使して、ドン・アルフォンソに捧げたヴィニェド・チャドウィックを造り上げた。

ブドウ畑が位置するのは、マイポ・ヴァレーのプエンテ・アルト地区。サンティアゴの東南部、マイポ川の北岸に沿ったアンデス山脈の麓で標高は650メートル。

土壌はマイポ川の古い沖積土壌。粘土ローム質の70センチの表土の下は粗い沖積質で、この地層の重量の50~90パーセントはさまざまな大きさの丸みをおびた砂利で構成されている。

気候は地中海性気候で、ブドウの生育期は乾燥し、雨は冬季に集中して降る。生育期の暑い夏も、午前中は涼しい風がアンデス山脈から吹き降ろし、夜は標高の高さから気温が下がるため、ブドウはフレッシュな酸を維持しながら完璧な成熟に達することができる。

畑はいくつもの区画に分け、区画ごとにふさわしいキャノピーマネージメントを行なう。収穫は区画ごとだけでなく、成熟度合いを見ながら畝ごとに数回に分けて行なうこともある。

収穫は朝6時から10時の間に手作業で行ない、15キロの小さなコンテナでワイナリーに運搬。その後ブドウは選果台の上で2度選果して除梗し、ポンプオーバーをしながら35日の醸しを行なった後、熟成に入る。

■2020ヴィンテージについて

年の始めから土中の保水量が低い傾向が続いたため、 冬の間に必要量のみ灌漑。そのおかげで例年並みの9月20日に芽吹きがスタート。温暖な春の完璧な気候のもと健全で均一な開花を迎え、通常より10日早い1月15日にヴェレゾンが完了。穏やかに成熟が進み、フェノール類の成熟と糖分が蓄積されるとともに、フレッシュなアロマの要素と酸も維持された。

最高の状態になったとチームが判断した3月12日から29日に収穫。やや収量は低かったものの、熟れて傑出した品質のヴィンテージとなった。

色が濃く、深みと凝縮度のある味わいには非常にエレガントなタンニンがあり、何層にも重なる複雑性とともに、フレッシュさと純粋さがあふれた、表現力豊かなワインに仕上がっている。

Viñedo Chadwick 2020
ヴィニェド・チャドウィック 2020

ワインメーカー、フランシスコ・ベッティグのテイスティング・コメント

「ヴィニェド・チャドウィック2020は、紫の煌めきのある濃いルビーレッドの色調を呈しています。新鮮な 赤い果実、カカオ、ナツメグと微かなバルサム系の芳香が何層にも重なった香りは偉大な複雑性を感じさせます。カシスのような赤や黒の果実を感じる魅惑的な味わいには、ほのかなダークチョコレートや甘いスパイスが加わります。この年のヴィニェド・チャドウィックには、偉大なエレガンスとみずみずしいフレッシュさに加え、石灰質の感触を思わせるキメ細かなタンニンがあります。凝縮度が高くすばらしい深みをもつ味わいが、長い余韻へと続きます」。

品種: カベルネ・ソーヴィニヨン100%
熟成: 新樽率75%のフレンチオーク樽、フードル樽25%で22カ月。
アルコール度数: 13%

Text : Megumi Nishida