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2022.11.27
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アルザスワインをとことん楽しむ 「アルザスロックス!」 参加店に聞く、銘醸地アルザスの魅力 Vol.2

ワインを楽しみたくなる季節。上質でおいしいワインに出会いたいなら、「アルザスロックス!」参加店舗へ行ってみるべし。ワインショップやレストラン、ワインバーが、スパークリングワインから偉大なグラン・クリュまでおいしいアルザスワインを幅広くラインナップ。そんな参加店のソムリエに、本プロジェクトのワインコンダクターである五鬼上泰樹が、アルザスワインの魅力とその楽しみ方を直撃取材。

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■レストラン ブラッスリー ジョンティ(浅草橋)
オーナー 富田 裕之さんに聞く

アルザスの料理とワイン、
そして人と料理を包み込むような優しい雰囲気を味わいたい

「アルザスの料理とワインの店としてオープンし14年になりました。若い頃にフランスの地方都市を訪れ、アルザスのカラフルな屋根の小さな家や石畳の街並み、レストランで老夫婦がボトルを開けつつ静かに食事をしている、そんな雰囲気が素敵だなと思ったんです。

開店当初は『アルザスってどこ?』『どんなワインがあるの?』という方がほとんどでしたが、いまではリースリングやミュスカなどブドウ品種を知る方も増えて、だいぶ知名度が上がったようにと思います。

アルザスは街もキレイですが人が皆優しくて、とても温かみあふれる土地なんです。アルザスのワインも同じように、包み込むような優しさがあってバランスがいい。

代表的なシュークルートは、塩漬けして発酵させたキャベツと豚スネ肉やソーセージなどを煮込んだ料理ですが、本来はその付け合わせのキャベツのこと。キャベツの酸味とコトコト煮込んで柔らかくなった豚肉、こんな素っ気ない料理が合うのが、アルザスのワインなんですよね。

ペアリングとしては、フォワグラやブーダンノワールといった料理にゲヴュルツトラミネールはいいですね。内臓のようなくせのある食材をブドウの個性が包み込んでくれる。 いまはジビエが旬ですが、エゾジカにはほんのり甘やかなピノ・グリが合います。シカは鉄っぽいニュアンスがあるので酸をぶつけるより甘みを足してあげるといいんですね。ウサギは白と赤で合わせて煮込んでいるので、ピノ・ノワールでもいいし、ピノ・グリの包容力もマッチします。

店名の由来であるヒューゲルの『ジョンティ』は、オープン時からハウスワインとして、とても大切にしているワイン。高貴品種のブレンドですが、香りや味わいの要素がバランスがよくてチャーミングで、うちで出しているどの料理にも合うんです。たとえばフロマージュブランと生クリームを合わせて、ゆでたジャガイモと食べるビブレスカスという郷土料理。これを前菜につまみながらジョンティで食事をスタートしていただけると、アルザス気分を味わっていただけると思います」。(富田さん)

▼富田さんレコメンド いま飲みたいアルザス

写真左)
アルザス ジョンティ 2020 /ファミーユ・ヒューゲル
Alsace Gentil 2020 / Famille Hugel

店のシンボル的なワイン。2020年はとびきりバランスがよく抜群によいヴィンテージ。

中)
アルザス リースリング 2021 / ドメーヌ・リーフレ
Alsace Riesling 2021 / Domaine Riefle

ほのかな甘みが優しく、和食でもエスニックでもオールマイティなので自分の晩酌ワインにも。

右)
アルザス ピノ・グリ ブルーダーバッハ クロ・マリエンベルク 2017 / ドメーヌ・ローヴ
Alsace Pinot Gris Bruderbach Clos Marienberg 2019 / Domaine Loew

やや残糖感があり深淵なコクと味わいで、ワンランク上のピノ・グリ。

【店舗情報】
ブラッスリー ジョンティ
http://b-gentil.com/sp/

***

■ワインショップ 恵比寿 君嶋屋〔恵比寿〕
ワイン担当 梅山 拓也さんに聞く

注目生産者アルベール・ボクスレの
花崗岩土壌の個性を楽しむ
に聞く

「恵比寿に来店されるお客様は、昔から慣れ親しんだタイプのワインを好む方もいれば、トレンドに敏感な方もいて志向がさまざま。アルザスワインはそうしたワインファンにおすすめできるバラエティの豊かさがあります。

辛口から甘口、スパークリングや赤、最近はオレンジもあって、ビギナーから上級者まで楽しんでいただけるものが必ず見つかる。13種の土壌を有していることなどがそのバラエティを生むんでしょうね。さまざまなブドウ品種があり、ラベルに品種名が書いてあるのもわかりやすい。

君嶋屋は、アルベール・ボクスレという生産者の輸入元でもあるので品揃えもテーブルワインからグラン・クリュまで充実しています。

中でも当店で人気なのがエデルツヴィッカー。毎年ブレンドが変わり、マスカットの風味が出る年もあればライチのアロマが出ることもあり、それをおもしろがってくださる方も多くておすすめしていても楽しいです。テーブルワインとして飲まれるからこその1リットルボトルというのもお得感がありますね。

ご自宅で楽しんでいただくにあたり、相性のよい料理も合わせてご提案します。ボクスレの畑は花崗岩土壌なので、どの品種も基本的に黄桃のニュアンスが出るのが特徴。味わいもシャープでキレがあるというよりは柔らかくて味わい深いタイプです。和食全般に合いますし、エスニック系もいける。リースリングは豚肉を使った料理によく合います。逆に料理を選ばず万能なのが、このエデルツヴィッカーですね。

これからのホリデーシーズンはスパークリングワインで乾杯する機会も増えますが、定番のシャンパーニュだけでなく、クレマン・ダルザスも選択肢に入れていただけるとよいのではないでしょうか。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵製法で造られていますがリーズナブルで、浴びるように泡を飲みたい! という方にもおすすめです(笑)。

ボクスレのクレマンは店内のバーでもお出ししていて、購入率がダントツなのがこのワイン。一度飲むと、その品質の高さをわかっていただけるのでしょうね」。(梅山さん)

▼梅山さんレコメンド いま飲みたいアルザス

写真左)
クレマン・ダルザス 2018 / アルベール・ボクスレ
Crémant d’Alsace 2018 / Domaine Albert Boxler

オーセロワ、ピノ・ブラン、ピノ・ノワールのブレンド。フルーティでシャープな酸。

中)
アルザス エデルツヴィッカー 2018 / アルベール・ボクスレ
Alsace Edelzwicker 2018 / Domaine Albert Boxler

どんな料理ともマッチする万能選手。冷蔵庫に1本あると便利な1リットルボトル。

右)
アルザス グラン・クリュ・ソンメルベルグ リースリング JV 2018 / アルベール・ボクスレ
Alsace Grand Cru Sommerberg Riesling JV 2018 / Albert Boxler

黄桃のニュアンスが典型的な花崗岩土壌の特級リースリングでコスパも抜群。

【店舗情報】
恵比寿 君嶋屋
https://kimijimaya.co.jp/shop/ebisu

***

■レストラン 炭焼き & WINE 利三郎(神田)
オーナー 遠藤 利三郎さん、店長 髙橋 一亨さんに聞く

肉本来のもつおいしさを引き出し、
引き立てるアルザスワイン

「中学1年のときの担任の先生がアルザス出身の宣教師だったので、とても馴染み深く感じていた土地です。ワインを識るようになってから、優良な白ワインの産地として一層身近になりましたね。

私はワインに含まれる酸をポジティブにとらえていて、冷涼な気候のもとで生まれるアルザスワインの繊細な酸は個人的にも好きなんです。酸が豊かだから料理に合わせやすいし、食も進む。アルザスワインの汎用性を、お客さまにもっと知っていただけるといいと思います」。(遠藤さん)

「当店はオフィス街にあり以前は会社員の方が多かったのですが、コロナ禍以降はワイン好きな女性のお客さまが激増しました。

アルザスワインにはさまざまなスタイルがあって、炭焼き=フレンチバーベキューに合わせておすすめしやすく、グラスワインの中にひとつあるととても重宝します。とくにフルーティですっきりしたタイプは女性の支持率が高く、一度飲んだ方がリピートされ、炭焼きとのマリアージュを楽しまれています。

炭焼きはウシからトリ、いまの季節はジビエもご用意。厳選した素材を味わっていただくため、それぞれ塩や香草、スパイスなどでマリネしてから、炭の香りをつけて焼き上げます。

たとえば薩摩鶏にはマーガオという台湾の香辛料を漬け込むのですが、肉質のしっかりした地鶏にほのかにエスニックなスパイスが香り、白ワインとの相性は抜群。素材の味わいを生かしたシンプルな炭焼きがアルザスワインに合うことを感じていただけると思います。

イノシシは新鮮なモモの赤身肉でリースリングのグラン・クリュとベストマッチ。“アルザスロックス”キャンペーン期間中は、グラン・クリュもバイザグラスでお出しする予定です!」。(高橋さん)

「お、店長太っ腹だね! 赤字は出さないようにしてね(笑)。肉は基本的にそのまま召し上がっていただけますが、別添えでソースも3種類ご用意していて、マヨネーズベースにタマネギと香草のエストラゴンを加えたソースもこれまた、酸の効いたワインに合うんですよね。

バイザグラスも充実してるんですが、アルザスワインがお好きな方はボトルでオーダーしていただき、ワインとさまざまな肉の相性を、舌で確かめていただきたいですね」。(遠藤さん)

▼遠藤さん&高橋さんレコメンド いま飲みたいアルザス

写真左)
アルザス オーセロワ 2017 / ドメーヌ・ローリー・ガスマン
Alsace Auxerrois 2017 / Domaine Rolly-Gassmann

アルザスではおなじみの品種オーセロワ100%。ほんのりした甘みが野菜の前菜に合う。

中)
アルザス グラン・クリュ・ケフェルコプフ リースリング 2020 / モーリス・シューハ
Alsace Grand Cru Kaefferkopf Riesling 2020 / Maurice Schoech

自社畑の1/3がグラン・クリュという恵まれたドメーヌ。スケール感も充分でイノシシなどのジビエにも。

右)
アルザス ピノ・ノワール エフ 2017 / シャルル・フレイ
Alsace Pinot Noir F 2017 / Charles Frey

赤が飲みたいならこれ。しっかりとした酸とこなれた果実味で重厚感のあるピノ・ノワール。

【店舗情報】
炭焼き&wine 利三郎
https://www.facebook.com/profile.php?id=100063526933974

〔取材を終えて〕

「取材させていただいたソムリエの皆さんともに『キャンペーン参加をきっかけに、アルザスワインについてさらに知識を深め、魅力を再発見したい』とおっしゃっていただいたのが印象的でした。アルザスはスパークリングワインからマールまでが揃い、きっちりと酸が残った心地よい甘みも、ほかの産地には見られない特徴です。グラン・クリュであっても手に届きやすく、気軽にそのスケールと深遠な味わいを楽しんでいただける稀有な産地でもあるアルザス。消費者の皆さんもこの機会にぜひ、“アルザスロックス!”を合言葉に、自分好みのアルザスワインを見つけてみてください」。(五鬼上泰樹)

***

■ 「アルザスロックス!」キャンペーン情報
「アルザスワイン公式認定店」はこちらからチェック!
各店のキャンペーンの詳細(期間や内容)が確認できます。
https://www.appsheet.com/start/9fe29603-30f2-4c8e-9538-3578bb767c33

アルザスワイン委員会関連SNS
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Photo:Shin-ichi Yokoyama
Text:Hiromi Tani