
マーティンボロー最大規模の自社畑を所有5つのブドウ畑がワインに多様性をもたらす
マーティンボローにこのエリア最大級の105ヘクタールにもおよぶ自社畑を所有する「テ・カイランガ(Te Kairanga)」。スケールメリットを生かし、バリューの高いワインを生産する。

ニュージーランド北島の南端に位置するマーティンボローは、この国で最初にピノ・ノワールが成功を収めた土地として知られる。ここに1984年創立したワイナリーが、テ・カイランガ。ブドウ栽培は78年まで遡り、この産地のパイオニアのひとつである。
マーティンボローに5カ所、計105ヘクタールものブドウ畑を所有。その利点について、チーフワインメーカーのジョン・カヴァナはこう語る。
「5つの自社畑はそれぞれ独自の特徴をもっています。アーシーでセイヴァリーな風味の出る畑、赤い果実の香りが高く、エレガンスを引き出す畑、色が濃く、黒い果実の特徴が強く出る畑、リッチで骨格のしっかりしたワインを生む畑……。これらをクローンや樹齢に応じ、60以上のロットに分けて醸造します。これによりワインに多様性が生まれると同時に、天候のむずかしい年はバッファにもなるのです」。

ジョン・カヴァナ/John Kavanagh
リンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の修士号を取得。ピノ・ノワールを醸造して
30年以上の経験をもつ。2012年、テ・カイランガのチーフワインメーカーに就任。
テ・カイランガのピノ・ノワールには、5つの自社畑のブドウをブレンドしたワインのほか、ランホルダーという上級キュヴェがある。
「グラン・クリュというべきマーティンボロー・テラスにあるふたつの自社畑のブドウのみ使用しています。ここは水はけがよく、痩せた河岸段丘。アーシーでセイヴァリーな風味がよく出ます」とジョン。

マーティンボローに5つの自社畑を所有。
そのうちのふたつが、グラン・クリュに相当するマーティンボロー・テラスにある。
広大な自社畑と大きなグループに属するスケールメリットを生かし、ニュージーランドのピノとしてはリーズナブルな価格設定も魅力だ。
■ワイン紹介
TK Pinot Noir Rosé 2021
TK ピノ・ノワール ロゼ 2021
ロゼ専用区画のエイベル・クローンを使用したロゼ。エイベルは香り豊かで酸が高い。全体の10%はフレンチオークで発酵熟成。フレッシュかつ複雑味があり、飲みごたえが大きい。(3,410円)
TK Pinot Noir 2021
TK ピノ・ノワール 2021
5つある自社畑のブドウをすべてブレンド。一部全房。7日間の低温マセレーションの後に発酵。フレンチオークと一部ステンレスタンクで10カ月熟成。フルーティでシルキーな口当たり(3,795円)
TK Runholder Pinot Noir 2021
TK ランホルダー ピノ・ノワール 2021
マーティンボロー・テラスにあるホーム&マクロード・ヴィンヤードのブドウを使用。100%フレンチオークでの熟成。凝縮感が高く、骨格もしっかり。セイヴァリーな風味を特徴とする(4,840円)
[お問い合わせ先]
株式会社モトックス
TEL:0120-344101
https://www.mottox.co.jp
Text:Tadayuki Yanagi