• Top
  • Feature
  • パイパー・エドシックの次なる伝説メゾンの未来を描く…
2023.09.19
feature

パイパー・エドシックの次なる伝説
メゾンの未来を描く新機軸のブラン・ド・ノワール

スパークリング・ワインメーカーとして最高の栄誉に輝いたエミリアン・ブティヤの新作は、既存の概念を翻すブラン・ド・ノワール。未来への布石となるシャンパーニュとして、名を馳せるに違いない。

  • facebook
  • twitter
  • line


ブルボン王朝時代、王妃マリー・アントワネットへ捧げられたことで知られるシャンパーニュ、パイパー・エドシック。1785年、フローレンス=ルイ・エドシックがランスに設立したことに始まるメゾンは、宮廷のみならず各国のセレブリティを虜にした。かのマリリン・モンローが目覚めのルーティンとして毎朝口にしたというのも有名なエピソード。

かつてアカデミー賞やカンヌ映画際の公式シャンパーニュを長く務めた〝パイパー・レッド〞は、いまもレッドカーペットに欠かせない。

数々のラグジュアリーブランドを個人オーナーが所有するフランスの企業「EPIグループ」の一員。
妥協や忖度なしにクオリティを追求し、アワードでも多数の受賞を獲得。


王妃に献上するにふさわしい品格と品質。ワインメイキングにおけるこの哲学は時を超えて当代のシェフ・ド・カーヴ、エミリアン・ブティヤに受け継がれ、理念をさらに昇華させたエポックメイキングなシャンパーニュがデビュー。

エミリアン・ブティヤ/Emilien Boutillat
シャンパーニュ出身。ボルドーやローヌ、アメリカや南半球各地のワイナリーを経てシャンパーニュメゾンへ。
2018年にパイパー・エドシックのシェフ・ド・カーヴに就任。
21年に続き23年に2度目となる「IWC スパークリング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。


ロードザージュかつ長期熟成のエッセンシエルレンジからリリースされたブラン・ド・ノワールは、黒ブドウだけで醸したとは思えないほどフレッシュ! メゾンがブレンドのベースとして大切にしてきたピノ・ノワールを主体に、ムニエをブレンド。「ピノ・ノワールだけで造るアイデアもあったが、新鮮さをもたらすムニエを活用したかった」。

イキイキとした躍動感とミネラル感あふれる味わいは従来のブラン・ド・ノワールとは一線を画し、よりガストロノミックな仕上がりだ。

特筆すべきは、このキュヴェがVDC(シャンパーニュ地方における持続可能なブドウ栽培認証)を取得した畑で2019年に収穫されたブドウのみで造られていること。健全な畑に育つ優れたブドウなくして、メゾンの求める品質は生まれない。ゆえにパイパー・エドシックはシャンパーニュ地方でいち早く持続可能なワイン造りにコミットし、15年以降はすべての自社畑でVDCとHVE(環境価値重視認定)の認証を保有。

さらに昨年、厳格な評価に基づき環境や社会に配慮した事業会社に与えられるコープ認証をシャンパーニュで初めて取得。農学エンジニアの学位を有し、気候変動などの課題に高い意識をもつエミリアン自らが主導、メゾンの将来はもとより、地球環境のために推進してきた取り組みによる成果である。 

栽培農家からサプライヤー、畑からバリューチェーン全体におけるサステイナビリティに取り組む。
25年までに全契約栽培農家がVDC認証取得することを目標としている。


モンローに代わる現代のアンバサダーとして起用したい人物を問うと「パイパー・エドシックのすばらしさを伝えてくれるソムリエや飲み手の皆さん全員が、私たちのアンバサダー」。画期的なブラン・ド・ノワールの誕生により、日本にも熱きアンバサダーが増えることだろう。

■ワイン3種

エッセンシエル ブラン・ド・ノワール N.V.
Essentiel Blanc de Noirs N.V.

ピノ・ノワール80%、ムニエ20%。36カ月熟成、ドザージュ5g/ℓ。グラン・クリュを含む10の冷涼な区画で、VDC 認証をもつ畑から収穫。ファーストリリースは卓越した気候の2019 年ヴィンテージのみを使用。ローレルのニュアンス。シャープな酸と塩味を伴うキリッとした後味。今後は30%前後のリザーヴワインが含まれる予定。 (10,120円)

Essentiel Extra Brut N.V.
エッセンシエル エクストラ・ブリュット N.V.(左)

Essentiel Blanc de Blancs N.V.
エッセンシエル ブラン・ド・ブラン N.V.(右)

エクストラ・ブリュットはドザージュ6g/ ℓ。ピノ・ノワール45%、ムニエ36%、シャルドネ19%の比率はイースト香とともにメゾンを象徴するフレッシュさとバランスを表現。シャルドネ100%のブラン・ド・ブランはドザージュ6g/ℓ、リザーヴワイン30%でクリーミーでありながらチョーキーなミネラル感。 (右/9,350円、左/10,120円)

[お問い合わせ先]
日本リカー株式会社
TEL:03-5643-9770
https://www.nlwine.com

Photo : Haruki Kodama (bottles) , Yosuke Owashi (portrait)
Text : Hiromi Tani