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2023.12.06
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ヴィレ・クレッセの実力派 ドメーヌ・サント・バルブ

2000年1月、ヴィレ村に誕生したドメーヌ・サント・バルブ。ブドウ栽培農家の3代目に生まれ、いまやマコネ地区の若手生産者たちのリーダー的存在でもある当主ジャン・マリー・シャラン。彼が目指すワイン造りとは?

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父が営むワイナリーから独立し、新たに設立したドメーヌ・サント・バルブ。創業時から一貫して意識しているのは、自然との深い関わりだ。自ら確保した4ヘクタールの畑でビオロジック栽培を始めた後、両親の畑も引き継ぎビオディナミ農法に転換。現在では所有畑のブドウの75パーセントを古樹が占めている。

「化学的な薬剤をやめ、畑の生物多様性を実現したことで、アロマ豊かで凝縮感があり、バランスのとれたブドウが収穫できるようになりました。その反面苦労も多く、雨が続くとカビや病気が蔓延し、収量は減少してしまう。でも、テロワールを体現したワインを造るためには、しかたのないことだと思っています」と、ジャン・マリー・シャラン。丹生込めて栽培したブドウは自生酵母で発酵し、バトナージュはほとんど行なわない。亜硫酸添加もほんの少量だ。

「ワインは生き物です。敬意をはらい、信頼し、時間をかけて熟成した結果がワインに現れる。当然よいものができると信じています」。

丘陵地の東から南東向き斜面に畑が連なり、石灰質を多く含む深い粘土質土壌のヴィレ・クレッセでは、広がりあるストラクチャーのリッチなワインが誕生する。

「美しい酸を充分確保するために、ブドウが完熟しつつも遅摘みにならないタイミングでの収穫を重視しています」。ワイン造りに勤しむ傍ら、土壌や栽培・醸造の新技術などを研究する組織の活動にも積極的に参加。「新技術の研究は、ドメーヌでのワイン造りにも有益です。信念を貫き、さらなる深みを目指すために、今後も職人的な小さな造り手であり続けたい」。テロワールの表現を哲学に掲げるドメーヌ・サント・バルブのワインには、共通してピュアさとフィネスが携わっている。

ジャン・マリー・シャラン/Jean-Marie Chaland
シャンパーニュで醸造学を修めた後、オーストラリアと国内各地で研修。「サン・トーバンのオリヴィエ・ラミーの元でも研修し、畑の真髄の表現を追求していた彼からは多大な影響を受けました」。畑はヴィレ・クレッセとマコン・ヴィラージュに合計8.2haを所有。

■Domaine Sainte Barbe/ドメーヌ・サント・バルブ ワイン3種

ヴィレ・クレッセ チュリセ 2021
Viré-Clessé Thurissey 2021

南~南東向き粘土質土壌。樹齢約100年。小樽100%で醸造。白桃、タルトタタン、ジャスミンの香り。凝縮果実味が酸、ほろ苦み、うま味を内包。豊潤な余韻。(7,535円)

ヴィレ・クレッセ ラ・ペリエール 2021
Viré-Clessé La Perrière 2021

粘土石灰質土壌。樹齢約40年。ステンレスタンク50%、小樽50%で醸造。強硬で精緻なボディ。豊富な酸と鉱物感が融合し重層的。ヨード風味が漂う凛とした余韻。(6,490円)

ヴィレ・クレッセ レピネ 2021
Viré-Clessé l’Epinet 2021

泥灰石灰質土壌。樹齢約50年。ステンレスタンク50%、小樽50%で醸造。熟成16 ~18カ月。花やリンゴミツの香り。艶やかさの奥に酸のテンションあり、腰高な余韻。(6,105円)

[お問い合わせ先]
株式会社モトックス
TEL:0120-344101
https://www.mottox.co.jp

Text:Etsuko Tsukamoto