「アルザス・ロックス!アワード」2024年優勝店に訊く、 アルザスワインの魅力【Vol.1】
アルザス委員会が展開する世界的なキャンペーンイベント「アルザス・ロックス!(Alsace Rocks!)」。開催3年目を迎えた今年は、5〜7月のキャンペーン期間中、日本各地の酒販店、レストラン、バーでさまざまなイベントが開催された。その内容が評価され、各部門のアワード1位となった3店舗にインタビューした。
■酒販店部門1位
川上酒店(熊本県熊本市)
“ご縁をお酒で紡ぐ”をモットーに、地元熊本県の日本酒や焼酎、九州産日本ワイン、世界のワインなど、厳しい目利きで選んだ酒類を取り扱う川上酒店。夫婦で店を営み、定期的に“お酒のセミナー”を開催している同店では、アルザス・ロックス! の期間中、ワインセミナーを実施。
「映像や地図を使いながら、アルザスがどんな産地かを知っていただき、ワインだけでなく、生活感や世界観を、旅行しているかのような気分で感じていただきたいなと。あまり深掘りしすぎず、ワインはバラエティ豊かで品種の個性が豊富ということをお伝えし、気軽に日常に取り込んでいただけるよう心掛けました」と、店主の川上千恵さん。
テイスティングでは、クレマン・ダルザス、AC アルザス、 ACアルザス・グラン・クリュから4アイテムを供出。各参加者は品種ごとの香りや味わいの違いを体感し、好みを見つけたり、感想を語りあったりしていたそう。
「一般のお客様にはまだまだ認知度が高くないアルザスワインですが、昨年から続けているセミナーにご参加の方々は、アルザスはフランスのすばらしい産地のひとつということを充分認知してくださっています。そして、日常のワインの選択肢のひとつとしてアルザスワインも手に取っていただけるようになり、とても嬉しく思っています」。
今年のアルザス・ロックス! 期間中に行なわれた特別キャンペーンも大好評だったとか。アルザスワインの販売促進に効果をもたらしたようだ。
20年以上前にアルザスのヴァンダンジュ・タルティヴを飲んだとき、あまりのおいしさに衝撃を受け、感動したという川上さん。「20年以上経ったいまも、あのときのおいしさの記憶が残っていて、ワインは人を幸せにしてくれるとしみじみ思います。そういう記憶として残るワインがあるということも、アルザスワインの魅力のひとつです」。
【店舗データ】
川上酒店
住所:熊本県熊本市中央区万町2-3
TEL:093-326-1568
https://k-sake.com
【お話をお聞きした方】
店主 川上千恵さん
■レストラン部門1位
ワインレストラン徳蔵(大阪府大阪市)
大阪・心斎橋に店を構えるワインレストラン徳蔵は、ワイン輸入会社「徳岡」直営のレストラン。「ワインの輸入元なので、多くの種類のワインを適正価格で提供できるのが我々の強みです。輸入するワインはすべてスタッフが現地を訪れ、生産者と話しセレクションを行なっていて、品質へのこだわりは自負しています」と、店主の徳岡園子さん。
“気軽にワインと料理を楽しむ”ことをコンセプトに、同店の1階では、常時40種類のグラスワインと小さなポーションの料理を提供している。アルザス・ロックス! の期間中、メール登録した訪問客に、5種類用意したアルザスワインの中から好きなワインをグラス1杯プレゼント。
「1階は、敷居を低くすることで、ワインをあまり飲まれない方の入口になればと思っています。アルザスってどこ? と尋ねられるお客様もいらっしゃって、これをきっかけに知っていただければと。一方、2階は1階でワインを知ったお客様が、より高品質なワインをゆっくりと楽しめるような空間になればと考え、今年改装したところです」。
7月のこけら落としには、アルザス・ロックス! の一環として、アルザスワインペアリング会を開催。リースリングには大山地鶏を使ったアルザス郷土料理のベッコフ、ゲヴュルツトラミネール・グラン・クリュにはクルミとピスタチオとクランベリーを入れたパテ・ド・カンパーニュなど、郷土色を意識した料理の数々が大好評だったという。
「アルザスワインは、料理をおいしくするワインだと思います。ワインのことはあまりわからなくても、アルザスはフォアグラなどの産地で美食の地ということは知っている方も多い。かえって食からの方が、気軽にアルザスの世界に入りやすいと思うんです。グルメ的な観点からも認知度を高めたかったので、ペアリング会では、普通のマンステールとゲヴュルツトラミネールのワインで洗ったマンステールの比較もしていただきました」。
参加者たちは実際にチーズを食べ比べながら、ワインやチーズなどアルザスの食文化全般に興味を持っていたそうだ。
【店舗データ】
ワインレストラン徳蔵
住所:大阪府大阪市中央区南船場3-5-26
TEL:06-6241-9710
https://wine-ya.co.jp/
【お話をお聞きした方】
店主 徳岡園子さん(右)
■バー部門1位
Wine bar LOOPY(東京都大田区)
一見ショットバーかと思うような暗めの照明で、しっとりと落ち着いた雰囲気が漂うWine bar LOOPY。この店を経営するのは地元蒲田で70年以上続く老舗酒販店だけに、ワインのラインナップも圧巻だ。
「ヨーロッパを中心にオーストラリア、アメリカ、日本など世界各地、ナチュラル、クラシックな生産者など幅広く揃えています。フランスでは、ボルドー、ブルゴーニュに次ぎアルザスも多く、常時12、13アイテムくらいは置いています」と、店長の小林俊介さん。
20〜30種類のグラスワインを提供している同店では、アルザス・ロックス! の期間中、アルザス・グラン・クリュのバイ・ザ・グラスを2、3アイテム用意。2カ月間で10種類以上のアルザス・グラン・クリュを紹介した。
「少しずつ銘柄を変えながら提供していたので、グラン・クリュのクオリティの高さに興味をもった方々が、ほかのグラン・クリュも飲んでみたいと、何度もリピートしてくれました。赤のピノ・ノワールも紹介したかったので、特級畑フォルブルグのブドウを使用したミューレの「ピノ・ノワール“V”」も出しました」。
料理はタルトフランベなど、アルザスワインに合いそうなフードメニューを8種類ほど用意したそう。とはいえ、2軒目に来訪する客も多いため、アルザスワインのラインナップもレストランとは異なるアプローチで、ワイン単体で楽しめるような個性あるタイプを選ぶように意識している。
「ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、オレンジワインなど、個性的なキャラクターが多彩なところもアルザスワインの魅力です。今回は、お客様にはシルヴァネールのナチュラルワインにも興味をもっていただけました。シンプルだけど、本質的なクオリティの高さを飲んで実感していただけたようです」。
アルザス・ロックス! のキャンペーンと銘打ったことで、目にも付きやすく、グラン・クリュなど高品質なワインを試して、その質の高さを認識した客も多かったそうだ。
【店舗データ】
Wine bar LOOPY (ワインバー ルーピー)
住所:東京都大田区蒲田5-18-3 太陽ビル4階
TEL:03-6715-8081
https://www.instagram.com/wine_bar_loopy/
【お話をお聞きした方】
店長 小林 俊介さん
《アルザスワイン委員会関連SNS》
HP:https://www.vinsalsace.com/jp/
Facebook:https://www.facebook.com/AlsaceWinesOfficial
X:https://x.com/alsacewines
YouTube: https://www.youtube.com/user/WinesofAlsace
Instagram:https://www.instagram.com/vinsalsace
Text : Etsuko Tsukamoto