
ジビエ × アマローネアッビナメントの極意
ジビエや煮込みに合わせるのが常道とされるアマローネ。テヌータ・サンアントニオの洗練されたアマローネなら、どんなアッビナメントがふさわしいか、シェフ目線で検証。

陰干し(アパッシメント)したブドウ果汁から造られるアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ。木樽での長期熟成による深みや複雑さ、そして独特の苦みが特徴だ。
ジビエを得意とする、ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパの三根涼シェフいわく、「苦みの優しいタイプなら鹿肉や猪肉の赤身、また青首鴨や家禽の鴨とも相性がよい」。さらにワインの酒質によって肉の下処理や火入れ、ソースで調整。「テヌータ・サンアントニオのカンポ・デイ・ジーリアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラはしっかりとしたアタックがあり、凝縮した果実感とシルキーなタンニン、ハーブの爽やかさも感じさせるキレイなスタイル」。

「岐阜県産本州鹿ロースのグリル 赤ワインとグリーンペッパー、
新ゴボウのソース ブラックオリーブの香り」。付け合わせにセップ茸とムラサキニンジン、
春菊のロースト。イタリア栗とムカゴ、猪の生ハムのリゾット添え。
そこで合わせたのは、本州鹿のロース。オス鹿の骨付きロースを約3日寝かせて表面の余分な水分を抜き、特有の臭いを除去。うま味も凝縮し、ワインの力強さに調和する。糖度があるためソースは赤ワインにルビーポートを加え、グリーンペッパーを用いて鮮烈かつマイルドなスパイシーさをアクセントに。さらに新ゴボウをしのばせてアーシーなニュアンスをプラス。付け合わせには旬のセップ茸とローストしたムラサキニンジン、清涼感のある春菊。いずれもワインにある要素をもつ素材ゆえ、それぞれが口中でハーモニーを生み出す。
アパッシメントの風味豊かなアマローネと、芳醇でスパイシーなフレーバーの鹿肉。精緻なもの同士の至福の組み合わせだ。
■テヌータ・サンアントニオのアマローネ2種
SantA’ntonio Amarone della Valpolicella 2019
サンアントニオ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 2019(左)
Campo dei Gigli Amarone della Valpolicella 2017
カンポ・デイ・ジーリ アマローネ・デッラ・ ヴァルポリチェッラ 2017(右)
クラシックモダンなスタイルのアマローネ。ワイルドベリーにリコリス、黒コショウ、ウッディ系スパイス、カカオ、ハーブのアロマも。腐葉土のニュアンス、長い余韻。前日抜栓でさらに奥行きのある味わいに。(左から、 8,470円、13,970円/いずれも希望小売価格)
ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ
住所:東京都目黒区祐天寺1-1-1 リベルタ祐天寺B1F
TEL:03-3793-9090
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Photo : Bungo Kimura
Text : Hiromi Tani