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2024.12.09
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大メゾン の重責を担う、生粋のシャンプノワ

オブジェの金属の部分を触りながらグラン コルドンを飲む。次に革の部分を触りながら。そんな新しい試飲法を披露したのはメゾン マムの新最高醸造責任者、ヤン・ムニエ。初めて来日した彼に、最高醸造責任者就任の経緯やメゾンの温暖化対策について尋ねた。

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広大な自社畑の存在が
メゾンのアドバンテージ

ランスのメゾンマムから新最高醸造責任者のヤン・ムニエが初来日。就任したのは今年の4月。2023年ベースのアッサンブラージュが終わった頃という。「歴史ある大メゾンからのオファーに驚きました。面接を受け、醸造チームの面々と会い、最終的にこの大役を引き受けることになりました。シャンパーニュ出身であること、20年間にわたるシャンパーニュでの経験、栽培から醸造まで広い見識をもっていることが評価されたのだと思います」。

ヤン・ムニエ/Yann Munier
ヴィトリアの栽培農家の3代目として生まれ、大学卒業後、大手協同組合に入社。
大手メゾンを経て、2017年にセラーマスターとして協同組合に戻る。
24年4月、メゾン マムの最高醸造責任者に就任。

ヤンの実家はヴィトリアの栽培農家。シャンパーニュに縁の深い彼はメゾンについてこう語る。

「グラン・クリュやプルミエ・クリュを中心に218ヘクタールの自社畑を所有していることが、マムの大きなアドバンテージ。今年は春先から雨が多く、ベト病のリスクにさらされましたが、自社畑はうまく管理できました。契約農家は何代も続く間柄で、私たちの指導にも気持ちよく応じてくれます。後継者のいない農家の畑は、私たちのチームが代行して栽培することもあります」。

今年のブドウは昨年と比べると酸が高めだが、それでも温暖化の影響は喫緊の課題という。

「環境再生型の栽培を推し進めることでいかに影響を抑えられるか。また醸造面ではかなり前から一部のワインについてマロラクティックをブロックしています」。 

今回は特殊なオブジェを用いた「テイスティングエンカウンターオデッセイ」を日本のプレスに紹介したヤン。いまは醸造責任者もブランドのアンバサダーとして、このようなプロモーション活動のため世界中を飛び回らなくてはならない。

「私にとっては新たなチャレンジ。初来日は発見の連続で楽しかった」と、笑顔を見せた。

[お問い合わせ先]
ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
TEL:03-5802-2671
http://www.mumm.com/ja-jp

Photo : Yosuke Owashi
Text : Tadayuki Yanagi