ランスに完成した新たなランドマーク
最古のシャンパーニュメゾンであるルイナールが、ランスに新しいビジターセンターを完成させた。3人のクリエイターによる3年がかりのプロジェクト。ルイナールの世界観が如実に具現化されたスポットだ。
古いものと新しいもの
東洋と西洋の対比
チョークの質感を模した細い回廊――シュマン・デ・クレイエルを抜けると現れる石造りのパビリオン。ルイナールの新しいビジターセンター「4 RUE DES CRAYÈRES」だ。
設計は大阪関西万博で会場デザインプロデューサーを務める藤本壮介。今回のプロジェクトで藤本がテーマとしたのは「調和と対比」だという。「古いものと新しいもの、東洋と西洋、それらを自然と調和させながら対比させ、ルイナールの歴史、エレガンス、ソフィスティケーションを表現することに努めました」と藤本は語る。
庭を挟み、歴史ある建物と向かい合う新しいパビリオン。全面ガラス張りのファサードは、上部五分の三が白いパターンのグラデーションとなっており、宙に浮かび上がっているように見える。
一方、内装を手がけたのは日本在住のフランス人インテリアデザイナー、グエナエル・ニコラ。レセプション、バー、ブティックなどで構成される屋内空間は、一切のパーティションで仕切られることなく、オーガニックの素材で作られたルーバーで人の流れが自然とコントロールされる。
フランス人景観アーティストのクリストフ・ゴートランが手がけた庭園には、新たに多様な種類の樹木が植えられ、さらにこれまでルイナールのアートプロジェクトにかかわってきた芸術家たちの作品がディスプレイされている。
シャンパーニュ地方を訪れるツーリストにとって、新たなランドマークが完成した。
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Text : Tadayuki Yanagi