
ドン ペリニヨンに流れるその年々の出来事
ドン ペリニヨンから3つのアイテムが登場した。最新の2017年、P2の2008年、ロゼの2010年。それぞれの色、香り、味わいから、その年の出来事が垣間見え、飲む人の記憶に刻まれるだろう。
ワインは時の証言者である。
2017年は、ドン ペリニヨン醸造最高責任者を四半世紀にわたり務めたリシャール・ジョフロワにとって最後の年。しかし、母なる自然は彼らに大いなる試練を課す。
17年は収穫直前に3週間にわたって雨が降り続き、とくにモンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワールに酢酸菌が蔓延。ほぼすべてのメゾンがヴィンテージ宣言を諦めた年。それでもドン ペリニヨンはこのヴィンテージに挑戦したのだ。
「ドン ペリニヨンには、核となるブドウ畑が1000区画に合計350ヘクタールある。むずかしい年でもドン ペリニヨンを表現し得る区画を見つけてアッサンブラージュすれば、量は少なくとも造ることは可能だ」と、リシャールの後を継いだヴァンサン・シャプロンはいう。
厳選に厳選を重ねた結果、生産量は通常の4分の1ほど。史上最小のドン ペリニヨンとなったが、夏までの好天による果実の凝縮感、フェノールがもたらすフレッシュ感、熟成による複雑性とハーモニーが揃い、17年も紛うかたなきドン ペリニヨンに仕上がった。
これとほぼ同時に、ふたつのアイテムがリリースされた。ひとつはプレニチュード 2(P2)の08年だ。冷涼な年ならではのフレッシュな酸とミネラル感。長期の熟成でフレーバーは多層的に膨らみ、このP2を「さらにパーフェクトなドン ペリニヨン」とヴァンサンは主張する。
もうひとつはロゼ。10年はベト病が広がり、17年と同じくむずかしい年。アイの赤ワインがドン ペリニヨンのハーモニーにテンションを与え、一層の高みへと導く。
いずれのドン ペリニヨンもその年の出来事を、飲み手に対し克明に語りかけてくれる。

ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2017
Dom Pérignon Vintage 2017
鍵となったクリュは、ピノ・ノワールがアイとオーヴィレール、シャルドネはクラマン、シュイィ、メニル、アヴィーズ、シルリー。反対にブージーやアンボネは厳しかったという。(39,160円)

ドン ペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2010
Dom Pérignon Rosé Vintage 2010
P2並みの長期熟成。力強い赤ワインとハーモニーを得るのに、それだけの時間を要した。(65,560円)

ドン ペリニヨン ヴィンテージ 2008
プレニチュード 2
Dom Pérignon Vintage 2008 Plénitude 2
2008年は、醸造最高責任者の継承という記念すべきタイミングで、世に初登場したヴィンテージだ。(84,040円)

ヴァンサン・シャプロン
Vincent Chaperon
1976年にアフリカのコンゴ民主共和国で生まれ、フランスのボルドーで育つ。祖父母はポムロールのシャトー・オーナーだった。モンペリエの国立高等農学院を卒業し、99年にモエ・エ・シャンドン入社。2005年にドン ペリニヨンの醸造チームに配属され、19年、リシャール・ジョフロワに替わり、醸造最高責任者に就任した。
[お問い合わせ先]
モエ ヘネシー ジャパン株式会社
https://www.moethennessyjapan.com/enquiry
Text : Tadayuki Yanagi

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