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2026.09.14
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鍵はグラン・クリュにあり
秘密のコードはRSRV

メゾン マムの最高級レンジとして、独立した存在となるRSRV。5つのキュヴェはすべて、グラン・クリュのブドウのみから造られる。しかも自社で所有する厳選区画のみ。各キュヴェの秘密を解き明かす。

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「RSRV」はメゾン マムの最高級レンジ。アルファベットの4文字は〝予約済み〞を表す「Réservée」の略号であり、メゾンが親しい友人や賓客のため、セラーの片隅に取り置いた特別なボトルの秘密のコードに由来する。

RSRVのアイテムがほかと大きく異なる点は、すべてがグラン・クリュのブドウのみから造られていること。そしてそのブドウが100パーセント自社畑産であることだ。

メゾンはシャンパーニュ地方に218ヘクタールのブドウ畑を所有しているが、その4分の3にあたる160ヘクタールがグラン・クリュ。この中からさらに厳選された30ヘクタールのドウ畑からRSRVの各キュヴェが造られる。シャルドネはシルキーなクラマンやミネラリティ際立つアヴィーズ、ピノ・ノワールはエレガントなヴェルズネ、躍動感のあるアイ、ボディ豊かなアンボネ、力強いブージーなどである。

自社畑では循環再生型ブドウ栽培がとられ、草生栽培によって土壌の団粒化と微生物の活性化、窒素固定を促進。さまざまな樹木の植樹や鳥の巣箱、養蜂箱の設置により生物多様性も促している。健全なブドウは健全なテロワールでこそ育つ。

さて、RSRVには5つのキュヴェがある。「RSRV 4.5」は5つのグラン・クリュのブドウを用い、4年以上の熟成を施したもの。ピノ・ノワールはヴェルズネ、アイ、ブージー、シャルドネはクラマンとアヴィーズから。一部はオーク樽で醸造され、パーペチュアルリザーヴが20〜30パーセント含まれる。

「RSRV ブラン・ド・ブラン」はクラマンのシャルドネ100パーセント。炭酸ガスの圧力を4.5気圧に抑え、デリケートでクリーミーな泡立ちを実現している。

これと対となる「RSRV ブラン・ド・ノワール」は、ヴェルズネのピノ・ノワール100パーセント。モンターニュ・ド・ランス北斜面のグラン・クリュらしく、緊張感のあるブラン・ド・ノワールだ。

メゾンと関係の深い画家、レオナール・フジタへのオマージュとなる「RSRV ロゼ・フジタ」は、6つのグラン・クリュのブドウを使用。アンボネの赤ワインを18パーセント加え、美しい色合いと赤い果実のフレーバーが豊かなロゼへと昇華。

そして、ラインナップの最高峰が「RSRV キュヴェ ラルー」。12のグラン・クリュの中から年に応じて最良の区画が選ばれる。とくに秀逸な年にのみ造られるため、1960年の誕生以来、リリースされたのはわずか13ヴィンテージのみという希少さだ。

RSRVはいずれのキュヴェも、特別感にあふれている。

RSRV 4.5(左)
RSRV 4.5

5つのグラン・クリュからなり、瓶熟は最低4年。ワインの一部は木樽で醸造され、パーペチャルリザーヴも用いられる。フレッシュで複雑みもあり、これ1本でコースを通すことが可能。(11,132円)

RSRV ブラン・ド・ブラン 2016(中央左)
RSRV Blanc de Blancs 2016

クラマンのシャルドネを100%用い、通常6気圧の炭酸ガスを4.5気圧に抑えたブラン・ド・ブラン。フレッシュな柑橘のアロマにイキイキとした酸。クリーミーなテクスチャー。(12,331円)

RSRV ブラン・ド・ノワール 2018(中央)
RSRV Blanc de Noirs 2018

メゾンの歴史的なグラン・クリュ、ヴェルズネのピノ・ノワールを100%用いたブラン・ド・ノワール。北向き斜面ならではの優美な酸とストラクチャーをもち、心地よい苦みを伴う。(16,489円)

RSRV ロゼ・フジタ(中央右)
RSRV Rosé Foujita

6つのグラン・クリュのブドウからなり、アンボネの赤ワインをアッサンブラージュ。色調はしっかりとし、味わいのボリューム感も大きい。肉料理に合わせたいガストロノミックなロゼ。(16,489円)

RSRV キュヴェ ラルー 2013(右)
RSRV Cuvée Lalou 2013

ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%。13年は6 つのグラン・クリュ(ヴェルズネ、ヴェルジー、アイ、ブージー、アンボネ、クラマン)からなる。各クリュの個性が渾然一体に溶けあう。(31,339円)

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トップソムリエが探る
RSRVの魅力と実力

グラン・クリュ オンリーのRSRVは何がどう優れているのか。森覚、山本麻衣花、三竹桃果のトップソムリエ3名がテイスティング。5つのキュヴェについて、そのキャラクターをつぶさに検証する。

RSRVのテイスティングに臨む、3人のトップソムリエ。
ホテル虎ノ門ヒルズ内のイタリアレストラン「ル・プリスティン東京」で、
5つのキュヴェを検証した。

■グラン・クリュは
キラートークになる

森覚(以下、森) RSRVは自社畑のグラン・クリュ100パーセント。これはキラートークとして使えますよね。

三竹桃果(以下、三竹) 高品質のブドウを生む限られた畑としての特別感があります。

山本麻衣花(以下、山本) しかもすべて自社畑産。大手メゾンでは珍しく、品質的な保証にもなります。

 まずは「ブラン・ド・ブラン 2016」から見ていきましょう。

山本 クラマンのシャルドネというと、果実味と酸、ミネラル感のバランスがとれた印象です。

三竹 メニルがシャープなのに対して、明るく親しみやすい酸ですよね。

 クラマンはアッサンブラージュと単一で方向性が違うと思うんですよ。アッサンブラージュでは骨格や奥行きを作り、単一だとクリーミーな質感や優雅さが前面に出る。

三竹 なるほど。これは香りの中にレモンのメレンゲが感じられます。

山本 泡の質感がエアリーで、舌に馴染みますね。

 炭酸ガスが4.5気圧のドゥミムースでなければ、この質感にならなりません。では続いて「4.5」です。ティラージュが2016年。デゴルジュマンが23年なので、このボトルはじつに7年熟成!

山本 たくさんのクリュをアッサンブラージュするのもそれはそれで強みになりますが、5つのグラン・クリュに絞ることでそれぞれがしっかり役割を果たしています。

 戦隊ものも人数は5ですから(笑)。でもセンターはやっぱりヴェルズネのピノ・ノワールかな。

三竹 ヴェルズネならではのフレッシュさとストラクチャーですね。

 これだけで乾杯からメインまで楽しめる汎用性の高い一本だけど、料理として浮かんだのはクネル。テクスチャーが同調すると思う。

山本 私は山菜のピザです。心地よいビターさがぴったりかなと。

■どのキュヴェも
センターがとれる

三竹 次に「ブラン・ド・ノワール 2018」ですね。

 ブラン・ド・ノワールは説明のむずかしいシャンパーニュだけど、RSRVの場合はヴェルズネが決め手。北斜面で酸がしっかり。温暖化が進むいまだからこそ意味がある。ストーリーができ上がってます。

三竹 同じ北斜面のマイィよりもストラクチャーがあり、南向きのアイよりも優しい感じがしますね。

山本 ストラクチャーとテンションがよいバランスで感じられ、エレガントですよ。それに焦がしバターのような香ばしさも感じられる。

三竹 フレッシュなのに熟成感もあって、料理は甲殻類を連想しました。質感はなめらかなので、甲殻類を包んだラビオリとかどうでしょう。

山本 私も伊勢海老などの高級な魚介を思い浮かべました!

 さて、ロゼですが、この「ロゼ・フジタ」は赤ワインの要素がとても強く出ていませんか。

山本 おっしゃるとおりですね。アッサンブラージュのロゼなのに、マセラシオンのロゼのようなボリュームの大きさが感じられます。

三竹 このロゼは品質や個性に加えて、レオナール・フジタこと藤田嗣治のストーリーを含めてお客様におすすめできるのが強みですね。

 これなら赤ワインを飲む必要がないでしょう。温度を少し高めにして、サシの入った牛肉、あるいは鴨でもいけるはずです。

山本 最後に「キュヴェ ラルー 2013」ですが、素直においしい。レイアーが何層にも積み重なり、スパイシーさやモカっぽさも。余韻がとても長くて圧倒的な格の高さを感じます。

三竹 4.5では5つのグラン・クリュの個性をひとつひとつキャッチできましたが、キュヴェ ラルーになるとすべてがひとつに溶け合い、複雑で多層的なフレーバーになってます。

 口中で感じられるすべての要素が調和し、複雑さがひとつに集約され、まさに球体のように感じられる。

山本 どのキュヴェもブレがない。

三竹 どれでもグループのセンターがとれる実力の高さです。

 グラン・クリュの底力ですね。


森 覚
Satoru Mori
群馬県生まれ。数々の高級ホテル勤務を経て、現在はホテル虎ノ門ヒルズのエグゼクティブソムリエ兼料飲副部長。2008年に全日本最優秀ソムリエコンクール優勝。翌年、A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール優勝。日本ソムリエ協会の副会長も務める。


山本 麻衣花
Maika Yamamoto
茨城県出身。パティシエとして働く中、洋酒に興味を抱いたことをきっかけにソムリエに転向。2021年にマンダリン オリエンタル 東京に入社し、23年にソムリエチームに配属。NAPA VALLEY BEST SOMMELIERAMBASSADOR 2025など受賞。


三竹 桃果
Momoka Mitake
神奈川県出身。大学卒業後、アンダーズ 東京に入社し、翌年、日本ソムリエ協会(J.S.A.)のソムリエ資格を取得。25年、J.S.A.のソムリエ・スカラシップ候補生に選出、また同年には北アジア地域の初代カリフォルニアワイン・ソムリエアンバサダーに選ばれた。

ル・プリスティン東京
住所:東京都港区虎ノ門2-6-4 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(ホテル虎ノ門ヒルズ 1階)
TEL:03-6830-1077
営業時間:朝食 6:45 ~10:30、ランチ(平日)/ウィークエンドブランチ(土・日・祝)12:00 ~15:00、ディナー 18:00 ~22:00
定休日:日曜のディナーのみ休業
https://lepristinetokyo.com

[お問い合わせ先]
ペルノ・リカール・ジャパン株式会社
https://www.mumm.com/ja-jp/rsrv-productdetails/

Photo : Bungo Kimura
Text : Tadayuki Yanagi